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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第百五十七話 ヴァンフリート星域会戦 その6
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みながら韜晦してみせる。
「確かに、旨いワインですが、皇帝の話というのは本当なんでしょうかね?」

「本当だろうな、あの男は、伯爵だそうだ、貴族が皇帝の言葉と称して嘘を言ったんじゃ、ばれたら家名断絶とかざらに有るからな」

「その点を考えれば、他の兵は安心できるのでしょうが」
「我々ローゼンリッターは、帝国の裏切り者で怨嗟の的ですからね」
シェーンコップとリンツの会話にデア・デッケン中尉とブルームハルト中尉が入って来た。

二人の言葉にリンツが渋い顔をする。
「二人とも、態々不安を煽るような真似をするんじゃない」
「まあ、二人の言いようも判る気はするがな」
「副連隊長」

「隊員の中には“こんな豪華な酒を出すのは我々に対する最後の晩餐だ”と言っている兵も居ますし」
「そうそう、他の兵と違い、うち等は一寸前まで皇帝陛下の臣民でしたからね」

デア・デッケン、ブルームハルトの話しに、シェーンコップが答えた。
「恨み骨髄まで達すると言う訳か」

「副連隊長、笑っている場合ではありませんぞ」
「俺はあの、ランズベルク伯を信じるさ、あの男なら嘘は言うまい」
「そうでしょうか?」

「まあ、最後の晩餐だかなんだか知らないが、折角只で貰ったんですから呑まなきゃ損ですよ」
結局ブルームハルトの軽口で話が締めくくられ、そのままローゼンリッター連隊に対して報復や侮蔑を行う者もおらずに、戦闘終了まで宴会が続く事に成った。



宇宙暦794年 帝国暦485年 4月2日 

■自由惑星同盟 ヴァンフリート星系 ヴァンフリート4=2 同盟軍南極観測所

仲間を見捨てる形になったヴァーンシャッフェ大佐はゾルゲ少尉達と共に南極点観測所への逃走を続けていた。

「帝国軍追撃はないんだろうな?」
「現在各センサーに反応がありません」
「そうか」

ホッとする大佐は暫くするとウトウトとし始め寝てしまった。此はゾルゲが大佐に軽い睡眠薬を密かに投与していた為であり、帝国側の追撃を受ける準備を行う為であった。

五時間ほどして、騒がしさに大佐が目を覚ますと車内のゾルゲ達が必死の表情で話しあっていた。

「どうしたのだ?」
「大変です、故障して機動不能な状態になってしまいました」
その言葉に驚く大佐。

「何だと、こんな所で故障などしていたら逃げ切れんぞ、直ぐに修理を始めるんだ」
「既に始めていますが、この所とみに補修部品の品質にバラツキが多くて」
「いいから、何とかするんだ!」

兵の苦労も知らずに怒鳴る大佐を皆が冷めた目で見ていたが、実情を知るゾルゲ他数人は細工が済んだとほくそ笑みながら、帝国軍の捕虜として、追撃してくる予定の迎えを待つのであった。

その僅か1時間後には、帝国軍の巡航艦が現れ
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