五十八 予感
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のあまりにも強い眼光に、カカシは思わず息を呑む。
同時刻、アスマと紅がその組織の人間と対峙している事など知らずに。
「あの『暁』にはな…」
「お前ら、里のもんじゃねえな」
揺れる人影。水面には四人の人物がゆらゆらと浮かび上がっていた。深い霧に沈む橋。
「…久しぶりだな」
ちりん…と鈴の音が響く。笠を押し上げ、僅かに覗かせた顔を見て、アスマと紅の顔色が変わった。
「お、お前は…っ」
「うちはイタチ!!」
アスマが名を告げる前に、高らかに叫ばれる。背後から聞こえた声に、アスマと紅だけではなく、名を呼ばれた本人も反応した。笠にかけた指がぴくりと動く。
「おやおや。貴方によく似て…それも写輪眼―――お知り合いですか?」
「俺の……、」
「サスケ、逃げろ!!」
会話の最中、アスマが叫ぶ。しかし彼の声が届いてないのか、乱入者――うちはサスケの瞳にはただ一人しか映っていなかった。殺気を放つ。
「…――弟だ」
白日の下、素顔を晒した彼はその紅き双眸を細めた。
先ほどの一言もアスマ達ではなくサスケに告げたのだろう。片割れの男に一言声を掛けてから、彼―――うちはイタチは突如乱入した相手に足を向けた。霧がより一層深まった。
「……鬼鮫。お前はお二方の相手をして差し上げろ」
橋の向こう側。アスマと紅の後方で仁王立ちする、弟の許へと。
「やれやれ。イタチさんも人使いが悪い…」
鬼鮫と呼ばれた男が肩を竦めた。同時に背負っていた刀を眼前の両者目掛けて振り払う。
背後に気を取られていた為、吹き飛ばされるアスマと紅。
「…くッ」
完全に隙を衝かれた二人は川に墜ちた。すぐさま水上で体勢を整える。
急ぎ、サスケを助け出そうと構えた紅の背後で声が掛かった。
「聞いたでしょう?貴方達二人の相手は私ですよ」
「紅…っ!!」
紅の危機にアスマが飛び出す。だが如何せん、両者の間には距離があった。
鬼鮫が再び振り翳す。未だ構えていない彼女の眼に巨大な刀が迫り来る。
水飛沫が上がった。
「よお…久しぶりだな」
何処からともなく声がした。
刹那、大きく横へ跳ぶ鬼鮫。寸前までいた水面がパッと割れた。
突然の襲撃にも拘らず、ザザザッ、と水上を滑った鬼鮫はそのままにやりと笑った。瞬時に太刀を構える。
「おやおやおや…。今日は懐かしい顔によく出会うものですねぇ」
視線の先。深い霧の中、ぼうっと人影が浮かび上がる。
驚愕で動けぬアスマと紅同様、イタチもまた微かに目を見張った。吹き荒れる突風に髪を掻き上げる。
鬼鮫が愉快げに瞳を細めた。
「大きくなりましたねぇ…―――――再不斬」
「あんたとは
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