五十八 予感
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ていた自来也は、カカシを呼び出す為の伝書鳥を空に放つ。
鳥は大きく旋回し、朝霧の彼方へ消えて行った。
「お?」
「あら」
団子屋。店先でばったり出くわした双方はお互いに目を瞬かせた。
「珍しいわね。こんな所で会うなんて…」
「なぁに。ちょっと見舞いの品をな…」
猿飛アスマの答えに夕日紅は僅かに顔を曇らせた。彼女もまた、三代目火影の生存を知る一部の者。未だ目覚めてはいない父を毎日のように見舞うアスマの心情を察し、彼女は口を噤んだ。
紅の心意を推し量り、「そういうお前は?」とアスマがわざと明るい声を上げる。
「私はアンコに団子を頼まれたのよ」
「そういやお前、甘いもの苦手だったよな」
無類の団子好きの同僚を思い浮かべ、アスマは苦笑した。直後、顔を顰める。店内から感じた異様な気配に、紅もまた眉を顰めた。
ことり、と湯呑みを置く音が鳴り響く。それが合図となって、その場にいた四人の姿は掻き消えた。
「なんですか?話というのは…」
己を呼び付けた本人は先ほどから無言を貫いている。珍しく真剣な顔つきに彼はなかなか話を切り出せなかった。だが流石に痺れを切らして話の口火を切ったカカシに、自来也がようやく口を開く。
「カカシ…。ナルはわしが預かる」
しかしながらその発言は、あまりにも唐突すぎた。
「…――わしは大蛇丸をずっと監視してきた。その際、奴が一時期ある組織に入っていてな」
眼を見開くカカシを尻目に、自来也は言葉を続ける。
「詳しい事はわからんが、その面子の大半が揃いも揃ってビンゴブックに載っているようなS級犯罪者ばかりでのお…」
カカシの眼が鋭くなる。真剣な表情へ変わった彼を視界の端に捉えつつ、自来也は猶も話し続けた。
「肝心の大蛇丸が抜けた後、組織に動きがあってな。二人組で術やらなにやらを各地で集めておる」
「……その一つが九尾だという確証は?」
低い声音で訊ねたカカシの問いに、「可能性…という話だ」と自来也は咎めるように返した。
「ありゃあ最強のチャクラを持つ尾獣だからのお…」
そこで一度、自来也は言葉を切った。目線を火影岩に向ける。
やがてカカシと顔を合わせた彼の眼には、ナルの行く末を案じているかのような深い憐れみが秘められていた。
「…――カカシ。お前はサスケを見てやれ。『写輪眼』の使い方を教える必要もあるだろう」
カカシが頷いたのを確認し、自来也は再び視線を眼下の里に戻した。
「そういう訳で、暫くの間ナルはわしが預かる。見張り役として三代目がお前を指名したのは納得のいく判断だが、これから先、手が回らなくなるかもしれんからのお…」
そこで自来也は目線だけをカカシに鋭く投げた。そ
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