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銀河英雄伝説〜生まれ変わりのアレス〜
チームの弱点
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わく、赤点をとって来年にはいないというのは真実なのだろう。

 同じチームであるから、頑張ってもらいたいとは思うが、それでも戦場に出ない方が彼にとっては幸せなのかもしれない。
 ローバイクに慰められて、心底申し訳なさそうにする姿は小動物のようだ。
 見る分には良くても、そこに配属された部下が可哀そうだろう。

「奴は何度やっても成長しないな。今回も勝手に左翼を動かそうとした」
「ああ。それです、一瞬左翼がこちらの動きに気づいたように見えたのですが?」
 敵がこちらの陽動に引っかかる中で、左翼だけが前に出ずにこちらの右翼へと攻撃を加えていた。その瞬間、見破られたと思い戦術の修正を考えたが、すぐに元に戻ったため、結局は当初通りの行動となったのだが。

「まさか。今回の左翼は奴だ。なぜ動かしたと聞けば、なんとなくと――ふざけた回答だった」
「何となく。作戦を見破ったわけじゃないのですか?」
「そう言われれば、こっちだって艦隊を動かしたさ。結果としては奴が正しかったわけだが」
「そういうことって、前もありませんでしたか?」

「……前も。いや確かに、変な動きをする事は前もあったが、あり過ぎてわからん」
「確かに」
 テイスティアが怖いという理由で艦隊を動かすことは何度もあった。
 無意味ということも数多くあった。

 だが。
「テイスティア」
「は、はい!」
 呼ばれて、驚いたようにテイスティアが背筋を伸ばした。
 急いで走ってこようとして、間の筺体に足をぶつけて、それでも涙目で走ってきた。
「ご、ごめんなさい」

 とは、誰に対してなのか。
 今回の戦いなのか、それとも高価な筺体を蹴った事に対してなのか。
「謝ることはないけど。今回の動きを教えてくれるか?」
「ご、ごめんなさい!」
 また謝られた。

 その姿は確かに軍人らしくなく、とても部下に対して命令している姿は想像できない。むしろ、新兵の二等兵ですらここまで腰は低くないだろう。
 常に謝られるため、あまりに謝罪の言葉が軽いため、すでにワイドボーンはいらいらと足を鳴らしていた。その姿が、よりテイスティアのごめんなさいの回数を増やすらしい。
「テイスティア。謝れとは言っていない、今回の動きを教えてくれと言っている」

「ごめんなさい。あ、その、あの……ごめんなさい」
「き、きさ、あああっ!」
 隣で怒声を上げようとしたワイドボーンが、足を押さえて蹲った。
 目を白黒させるテイスティアに気にするなと、地面に叩きつけた足を後ろに隠しながら、アレスは笑顔でテイスティアの肩をたたく。

 足が、足が……と喚くワイドボーンを体で視界から隠しながら、優しくアレスが問いかけた。
「うん。で、何故ワイドボーン先輩の命令を無視して、こちらの左翼
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