チームの弱点
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、自分がその場所に立つのは酷く非現実的なことのように思える。
「それでは、本日の授業を終了する」
言葉とともに、教官が立ち去った。
授業が終わり、以後は自分の時間となるが、最近は戦術シミュレーターのために訓練の時間となっている。
早くいかなけれなと、テイスティアは鞄に小テストをしまった。
机の中の教科書と筆記具を次々としまうと、声がかかった。
「テイスティア」
「な、何?」
慌てたように振り返ると、そこにはにやにや同級生が三人いた。
普段はテイスティアに声もかけない人物だ。
授業態度は真面目と言い難く、成績も普通だ。
先頭の男はランデルといったろうか。
「掃除代わってくれよ?」
「え……」
驚いたように問い返した。
授業後は、順番に室内を掃除するようになっていた。
それを変われと言う事なのだろう。
時代錯誤の箒を手にして、ランデルがそれを差しだした。
「えじゃねえよ。掃除を代われっていってんだ」
「き、昨日代わったよね?」
「俺はな。次はこいつが担当だって」
馬鹿にしたように笑いながら、ランデルは隣を差した。
そこには申し訳なさそうな様子が一切ない男が笑っている。
「だ、だめだよ。昨日だって遅れたから、今日も遅れるわけにはいかないよ。先輩を待たせちゃうし」
「こいつの先輩は待たせてもいいのかよ?」
「そうじゃないけど。それなら一緒にやろう、早くなるし」
「お前何言ってんの? 頼んでやってんだから、はいって言えよ。第一、お前がいてもいなくてもかわんねーだろ」
「そ、それは」
奥歯を噛んだテイスティアを、ランデルは馬鹿にしたように笑った。
ショックを受けたような様子が面白かったのだろう。
指を差して馬鹿にする様子に、教室内に残った何人かが顔をしかめたが、誰も止めようとはしなかった。
またかと、そんな印象に教室内を出ていく。
「笑えるわ。それより、さっさとしろよ」
ほらと、差し出した箒に、テイスティアは唇を噛みながら、受け取った。
「馬鹿がちんたらするなよ……行こうぜ」
ランデルを含め三人の男達は、礼すら言わずに歩きだした。
もはやテイスティアすら見ていない。
「おい、女。端的に言うぞ、邪魔だ」
と、教室の扉から聞き覚えのある声がした。
同時に、それは本来は一学年の教室に存在しない声で、
「テイスティア。何している、迎えにきたぞ」
「ワイドボーン先輩!」
驚いたようなテイスティアの声に、周囲が慌てて敬礼を行う。
突然現れた最上級生の姿に、目を丸くしてれば、ワイドボーンはその様子に構うこともなく、ずかずかと室内に入ってきた。
「何をしている?」
「え。えっと」
「また掃除とか寝言をい
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