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魔法少女リリカルなのはA's The Awakening
第十四話
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 直人は未だ戦闘中であった。とはいっても敵は残り一人。

「これで、ラストォッ!」
「ぐおぁっ!?」

 最後の一人を蹴り飛ばし、直人は襲いかかってきた全員を倒しきった。

「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」

 呼吸を整えるのに少々時間が必要なほど乱れている。一人一人は今の彼には及ばないが、やはり数が多かったのが原因だろう。するとそこに、拍手をしながら一人の青年が現れた。

「いやいやいや、見事なものを見せてもらったよ……素晴らしく成長したみたいだなお前さん。そしてようこそ、こちら側へ。ケヒヒッ」

 フェスのTシャツ、黒のデニム、青いスニーカーという姿をした彼を見る直人の視線が鋭くなった。

「テメェ……今更なんでこんなところにノコノコいやがるんですかねぇ。いやいるのは構わねぇけどのんきに俺に絡んでくるんですかねぇ。気配は感じてたけど来なかったら見逃してやってたというのに」
「おおう怖い怖い。相当嫌われちゃったみたいだねぇ俺ちゃんも。クヒッ」

 ゆっくりとしたしゃべり方や奇妙な笑い声をする彼に対して、憎悪の念をも抱くかのようなその視線を受けても彼は平然としている。

「誰のせいでテスタロッサ家がああなったと思っとるんで?」
「そういや、あの一家にすげぇ執着してたなぁお前さん。高町の家ならまだしも、あの魔女になんの暗示かけられたんだオイ?」
「……それ以上ほざくならこの場で焼き殺すぞコラ」

 普段は温厚で軽薄な雰囲気も見せる直人だが、この時の殺意だけは本物だった。蒸し暑い真夏の空気が急速に冷え、重苦しくなっていく。

「加減を知らないガキの相手は疲れんよな、お互いさ」
「わけわかんねぇことぬかしてんじゃねぇですよ。何の用でこんなところに首突っ込んできてるんで?」
「オイオイオイここは俺の故郷だぜ?たまにはゆっくり里帰りしたっていいだろうよ」

 と、肩をすくめて答える青年。しかし眼だけは笑っていない。

「ま、今日は顔出しだけさ。お前さんとの決着は、こんな祭りの中じゃ無粋って奴だろ?」
「こいつら引き連れといてよくそんなナマ言えますね。アリシアを殺してフェイトを沈め、プレシアさんに大怪我負わして戦線離脱させたってことだけは認めてやらんでもないですが」
「どうせならあの魔女もブッ殺しておきたかったんだけどなぁ……」
「そこまでしてたら俺があの場でアンタを逃がすと思ってるんで?」

 どうやら現在プレシアが入院しているのは彼の仕業らしい。それほどの戦闘能力を持っているのか、策を巡らせて沈めたのかは不明だが。

「おうおう、先輩に対して吠えるなぁお前さんも。やっぱここで殺しとくか?」
「やるならとっととかかってきたらどうです?アンタだけは俺がこの手で殺さなきゃ気が済まねぇし」
「い
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