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魔法少女はじめました
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序「コズミック・パズル」
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縮小せざるを得なくなりました。イラクやバルカン半島へのプレゼンスを高める必要や、海軍力の再建にその力を割かねばなりませんからな。」

私の言葉を、楠昌友内閣危機管理監が続けた。地下に設置され、窓が何一つなく、大小様々なスクリーンと、状況をメモするホワイトボードに囲まれて我々は話を続ける。

「軍事力強化する中国、虎視眈々と勢力拡大を狙う韓国、何を考えているか分からない北朝鮮、ソ連が崩壊しても強大なロシア。その中で、合衆国のプレゼンスが無くなって政策を立て直そうとしている我が国に救世主となった行政府。ですな。」
「そうだよ。蒲生さん。あっちは核武装で崩壊したようなものだが、今度は我が国がそうなるところだった。それを救ってもらって、統一戦争でもともに戦った行政府は戦友だよ。不気味かつ警戒に値する相手ではあるがね。」
そう私は笑いながら言った時、1本の電話が掛かってきた。

「佐藤です。」
それは公安調査情報庁(SRI)長官の佐藤栄介君からのものだった。SRIは80年代を通じて、70年代に警察庁長官と内閣官房副長官を経験した後藤田正晴、90年代初頭の岸田森を経て、佐藤栄介長官の時代になっていた。
岸田くんも後藤田長官時代のような長期政権が見込まれていたが、統一戦争時のあっち側の核武装情報の誤りを指摘され、事実上の更迭となった。
「長官。行動を開始します。」
「うむ。開始せよ。」

情報機関との会話らしく、無駄のないこれだけの会話で指示を与え、私は受話器をおいた。
「諸君。ティータイムの時間は終了だ。」
そう言うと我々は会話を追え、自分のなすべきことをすべく持ち場に戻った。

2130・行政府都市部第一区画・行政府庁舎
行政府庁舎にある自分の執務室で、私、柊一馬は書類を机に叩いて整理していた。デスクの上には第23次報告書やその前の22次報告、部隊の配置状況が記された地図、筆記用具などが置かれていた。
「全く、呪われた連中だ。」
そう言って私は机に置かれた数個の写真立てのうち、一つを倒した。

「さてと。」
そう言って、私はデスクに置かれていた国産スポーツドリンクのペットボトルを一気に飲み干した。そして、それをゴミ箱に投げ込んだ。

「状況を開始しようか。連中に戦争を教えてやる。」
そう言って私はドアを勢いよく開けた。
私が廊下を進みだすと次の向い合わせのドアが同時に開き、私の後ろに2人の男たちがついた。そうして、次々にドアが開き、次々に私の後ろについて歩き出した。階段を、廊下を、進むごとに人が続き、ある部屋の前まで来る頃には100名を超える規模となっていた。
私は勢いよくその部屋、状況管理対応室(シチュエーション・ルーム)のドアを開けた。

担当官が自分の決められた場所につき、あるものはインカムを装着
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