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魔法少女はじめました
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序「コズミック・パズル」
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ります。」

そういって副官は所長室から退出した。あれはあれでよい副官なのだが、ことこの状況認識は甘すぎる。我々が状況判断に有益な情報はほんのわずかでしかない。しかも、その入手手段はいささか以上に非合法なものだ。

「オリビエ中佐、入ります。」
そうドアの外で声がして、ローレンス・オリビエ中佐が入室した。この男は私とSIAの紳士諸君とのパイプ役でもある。
「閣下。最新情報を踏まえた事案発生当初からの報告書です。行政府情報部門合同会議にて作成しました。」

規律正しい声で彼は私に報告し、それほど厚くない1冊のファイルを手渡した。そのファイルの厚みはそもそも情報が少ないせいなのか、それとも会議にて精査された情報のみ記載したものなのか・・・」
「この報告書は?」
「はっ。安全保障会議構成員の方々にはすでに配布しております。」
その報告に、私は安心した表情を浮かべてファイルをめくり始めた。

同時刻・東京都新宿区西新宿・新宿事務所
東京都新宿区西新宿の高層ビル街にある某ビルの5フロアをブチ抜いて、その事務所はあった。next・frontier(ネクスト・フロンティア)東京支社新宿分室と掲げられたその事務所は、実際のところ都庁との折衝を行う事務所であった。

その事務所にある渋谷方面の夜景が見える一角に、事務所長室があった。造りは外神田と同じで、同じように窓際に立って渋谷方面の夜景を見ているひとりの男がいた。
その手元にはあるファイルが握られていた。

「第23次状況報告 element王国の崩壊状況とmineral勢力に関する報告
・ハートランド王国は情報によれば、1年ほど前にmineral勢力の侵攻により崩壊した。
・その際の抵抗により、相当数の犠牲者が出たと推測される。尚、その犠牲者数に関して状況不明。
・崩壊の際に数名の王国関係者が脱出したものと推測される。尚、正確な情報は不明ながら最低3名は脱出した模様。
・脱出の際に王国復活の鍵になる何らかのモノを携えているものと推測される。この情報は、mineral勢力内の会話傍受にて確認済み。
・mineral勢力はそのモノを求めて我が国への浸透を図るものと推測される。その場合の対抗策に関しては、日本政府ならびに行政府関係者間で協議中。」

「なんら変わっていないじゃないか?第15次報告と。」
私、真田丈一郎は窓際になって、手にコーヒーの入ったマグカップを持ちながら、傍らに同じようになっている牧猛とリニスに何ともなしに話しかけた。
「全くです。しかし、情報がありません。」
牧君が真剣な表情とその表情が分かる声で言った。

「状況もなしにあの子を危険に晒すのですか?まぁ、かなり危険な状況でも切り抜ける腕はあると私は信じていますし。」
「いざとなったら介入す
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