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Black Engel and White Engels
魔法少女はじめました
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序「コズミック・パズル」
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その基地の一角にその建物はあった。正面のロータリーにはひっきりなしに車が停車して、スタッフを降車させ、また乗車させていた。
その様子を、所長室の窓際に立って様子を見ている男がいた。

「それで、現在の状況は?」
窓際から室内に振り向き、報告を求めた。
「はい。2100現在状況に変化なし。よって特段報告事項なし。」
「うむ・・・」
そういって、私、横山昌彦は顎に手をやって思案します。
「下がっていいよ。また報告をまとめて来てくれ。」
「承知しました。」
そう言って、ドアを閉める音とともに秘書官は下がった。

はてさて困ったことになった。想定シナリオではもうすでに敵の動きが出てくる頃なのに全く動きがない。夕刻のTV会議の席上での分析の結果、我が方(日本政府・The City)が存在を確認している敵性勢力は3つ。最大の勢力を誇っているのがA(アルファ)・活発な動きを見せているのがB(ブラボー)・そして動きも活発でなく、勢力も小さいが油断ならないC(チャーリー)
今回はそのA(アルファ)が動いたと、公安調査庁(PCIA)とうちの公安情報庁(SIA)は分析している。さて、それが正しいかどうか・・・

「所長。行政府から電話が入っています。」
電話の音が私の思案を打ち壊した。受話器に出ると、総務課スタッフの電話を取り次ぐ声がした。
「分かった。回してくれ。」

2120・東京都千代田区外神田・某ビル
千代田区外神田。住所でそう書くと一見どこのことなのかわからないが、実はここは秋葉原である。その駅前にある3棟の高層ビル。そのうち1つのビルの高層階3フロアをぶち抜いてその事務所は存在していた。看板にはnext・frontier(ネクスト・フロンティア)東京支社と掲げられていたが、その内実はThe City首都圏統括事務所である。

その3フロアの一番景色のよく見える場所に、所長室がある。その所長室は、所長室というよりも少し小さめの会議室といったほうがよいのかもしれない。20名ほどが座れるイスとデスク、壁には大型スクリーンが2面。
その所長席に座って、男が窓に映る夜景を見ていた。

「閣下。すでに現場には1個大隊戦闘団が展開しております。業務支援室の作戦班・情報班と合わせて相当数の部隊がおります。そこまで憂慮しなくても・・・」

私、トーマス・ジェファーソンが部下を少し睨み、諭しながら言った。
「事態はここまで進んでいる。敵性勢力が今のところは分裂しているが、合流したらどうする。しかも、我が方にはその情報を得るラインすら存在してはいないのだ。より深刻に事態を受け止めるべきだ。」
「失礼いたしました。しかし閣下。そのまま窓のそばに立たれていても、不測の事態の危険があります。お座りください。何か持ってまい
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