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自由の灯り
第二十五話
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に氷属性のマナを込めると、そのまま銃口をサンドワームに向けて引き金を引く。
いつもならここで弾丸が出るのだが、弾丸は現れず変わりに氷の銃弾がサンドワームに幾つも直撃し氷の牢に閉じ込めていく。

「抗いし者よ、氷牢の中で永久に眠れ・・アブソリュート・ゼロ!!」

最後の引き金を引き、氷の銃弾が牢に直撃すると粉々に砕けちる。
氷の牢が全て砕けると、中に居たサンドワームはボロボロになっており、何とか逃げ出そうと地中に潜ろうとする。

「トドメだ!奈落へ堕ちろ!!」

リカルドはサンドワームが地中に潜る前に、素早く反応すると、サンドワームの体より高く跳躍し銃口に闇属性のマナを集束させる。

「ファントム・コール!!良い夢を・・・」

集束させたマナをサンドワームに放ち、地面に着地する。
そして、背を向けて右手を上に掲げると闇を纏った大爆発が起き、闇はそのまま天に登っていく。
爆発が収まったときにはサンドワームは形を留められない程、体が粉々に砕け散っていた。




◆ ◆ ◆ ◆ ◆




サンドワームを撃退し、何故リカルドがカダイフ砂漠に居たのか理由を聞いてみると、リカルドは先程のサンドワームの討伐依頼を受けていたようで、ここに訪れたらしい。
依頼が完了したことで、後は報告をしてから今の契約者であるアンジュの元に向かうと言い残し、彼はカダイフ砂漠を去っていった。
リカルドと別れると、ディアたちは依頼を再開し、オアシスに向かった。
幸いサンドワームのような強力な魔物は現れることはなかったが、道中でケージの中に居た魔物の睡眠薬の効果が切れ始めてしまい、発砲しようとしたイリアを落ち着かせるのが大変だったくらいだけだった。

「ふぅ、着いたね・・」
「やっとオアシスね、さっさと済ませましょ」
「じゃあ、僕が鍵を外すから暫く待っててくれ」

クレスが鍵を取り外している間、イリアは腰を下ろし休息を取り、カノンノも休もうと腰を下ろそうとすると、座りながら辺りをキョロキョロしているディアに気付く。
どうしたんだろと思いながら、ディアの側に歩み寄る。

「ディア、どうしたの?」
「いや、何か誰かに見られてるような・・・」
「誰か・・・?」

カノンノも辺りを見渡すが、それらしい人影は何処にもなかった。

「う~ん、僕の気のせいかも」
「そう、隣に座っていいかな?」
「うん、いいよ」

ディアの承諾をえると、カノンノはディアの隣に腰を下ろす。
鍵を取り外すのはまだ時間がかかるようなので、ディアの記憶について聞いてみることにした。

「ディアはあれからなにか記憶は戻った?」
「ううん、全然戻んないや」

笑いながら答えるディアに驚きながらも、カノンノは不思議そうな顔をする。

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