一章 希望と絶望のセレモニーF
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の内容は気になるが今の流れではどうもいい予感はしない。
「AからFの各地区ごとに特別強化クラスというものを設ける。負けた者達は強制的にここに所属してもらう。ここでは日頃の学業の成績をもう一段階も二段階も上達する完璧な学習プロセスを用意しており、これで諸君達も…」
ブーーッ!ブーーッ!!
先ほどを上回る程の大ブーイング。
「ふざけるな!」や「横暴だ!」といった汚い言葉も飛びかっている。
学校が終わってまた勉強、この如月学園はただでさえ勉強のレベルが高いのに、そこから更に数段階レベルが上がるとなると将来は学者や研究者にでもなれというのだろうか。
「静粛に!静粛にッ!全く最近の若者は!!いいか、今からルールを説明するぞ!勉強が嫌だというものはしっかりと聞いておれ!」
まるで怒鳴るかのようにキツい口調で声を張る副学園長、今の彼を見ていると紳士的な見た目とは全く対極の印象を受ける。
「まず互いが競いやすいように幾つかのグループに分けさせてもらう。まず部活動対象者である中等部と高等部の大きく2つに分けさせてもらう。そして更にその中でもグループ分けとし
サッカーや野球などの『球技』
空手や柔道といった『闘技』
陸上や水泳などは『競技』
運動部に属する部活動はこれら三つのどれかに当てられる。そして次に文化部は
美術部や文芸などの『彩技』
パソコン部や科学部といったものは『勉技』
このように分けさせてもらった。詳しい割振りは入り口付近に用意した用紙を見てくれたまえ」
京介達の剣道部はどこに分類されるのか、球技と競技ではないだろうから消去法で考えると空手や柔道などが当てられている闘技であると思われるが、一体そんなやつらとどうやって闘えばいいか検討がつかない。
「そして競い方なのだが、それは対戦する者同士で決めてくれ。互いに共通する内容でも構わないし、お互いが納得すれば全く関係性のないもので競ってもらっても構わない、期限は一週間だ!一週間以内に相手を見つけ競え!」
今までの説明に比べると随分とお粗末な説明だ。
要はグループ分けはしてやったから後はそっちで勝手に決めておけということ。
肝心の判断基準が丸々こちら側に投げられたのだ。
野球やソフトボールなどはスタイルが似ているから競いやすいとは思うが、サッカーとバスケット、茶道と美術、柔道と弓道といった場合はどうやって決めろというのだろうか…
「諸君らは常日頃から切磋琢磨しているのだろう?ならば心配はいらない、要は勝てばいいのだ。何を戸惑う必要がある」
それはそうなのだが、それだけで「はいそうですか」とできたら苦労はしない。
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