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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第142話】
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はぁっ…はぁっ!」


息を切らし、私はお母さんを探していた。

――お兄ちゃんからの報告を、風花の間で訊いた私の頭の中は真っ白になった。

お兄ちゃんが単独で……それも、織斑君と篠ノ之さん二人を逃がすために残ると――。

探すために、急ぎぎみで旅館内を駆け巡る――でも、お母さんが見つからない。


「はぁっ……はぁっ……。お母さん…どこ…?」


呟いても誰も答えない――こうしてる間にも、お兄ちゃんが怪我するかもしれない――下手すると、死んじゃうかもしれない…。

考えが悪い方、悪い方へと考えてしまう。

涙が溢れ出そうになるのを堪え、私はもう一度冷静に考えた。


「……そうだ、まだ外のトラックに行ってなかった!」


直ぐに思い立ち、私は勢いそのままに、花月荘隣の駐車場へと走って向かった。


――風花の間――


「お、織斑先生!」

「どうした?有坂がやられたのか?」


その表情は落ち着いていたが、有坂までやられるとなるとそこへの救助をどうするか、織斑千冬は直ぐに考えるのだが――。


「い、いいえ、違います!――ここ、旅館花月荘隣から高エネルギー反応…!」

「何?――どういう事だ、真弥?」


突然の高エネルギー反応――それも、自分達が居る花月荘隣からだからか、織斑千冬も山田真弥を下の名前で呼んでいた。


「わ、わかりません。――ですが、このエネルギー反応……!!」


空中投影ディスプレイに映し出されるエネルギー反応は、徐々に、徐々にと大きくなっていく。

だが、エネルギー反応だけで他には何の反応も示さない。

そこに引っ掛かった織斑千冬は直ぐに指示を出すも――。


「……真弥、花月荘隣の映像、映し出せるか?」

「だ、ダメです!特殊なジャミング波による影響で映像出せません!エネルギー反応はこのディスプレイでも映し出せますが、映像だけはダメです!」

「他の映像もダメなのか?」

「はい!この辺り周囲一体の映像は全てジャミング波の影響で何も映し出されません!」


慌てたように告げる山田真弥、織斑千冬は落ち着きながらも次の指示を伝える。


「なら衛星から――」

「そちらもダメです!花月荘周辺凡そ100キロ圏内全て、ダミーの映像が流されています!」

「……どういう事だ」

この場を離れられない――だからといって、他の者に様子を見に行かせようとも、その人材が出払っている――。

歯痒い思いで、ディスプレイを眺めていると――。

「エネルギー反応に動き有り――これは……このコース、有坂君が戦っている交戦空域に真っ直ぐ向かっています!」

「……!真弥!有坂に通信を繋げろ!」

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