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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
馬肉
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外見的な傷は残らない。」
「だが、代わりに魂を傷つける。こっちは外見的な傷と違って治りにくい。こっちのほうがよっぽど悪辣で卑劣だ。それも、切られたのは十歳の子供だってんだから、さらに治りにくい。」

二人の剣幕に、その場にいるすべてのものは驚きか恐怖の感情を抱いた。
十六夜は普段の軽薄な笑みとはまったく違う怒りを浮かべており、一輝は背後にうっすらと百鬼夜行が見えている。
一輝の怒りの感情につられ、無理矢理に顕現しかけているのだ。

「白夜叉が牙をむくとしたら、それは同じ口上のはずだ。」
「だから、俺達は牙をむく。ここに間違いはない。」
「「違うか?」」

二人に睨まれ、蛟劉も一考し、

「・・・なるほど、一理あるな。」

そう結論付けた。

「な、おい!」

二人の様子から、本当に潰されかねないと感じたグリフィスは慌て始めるが、蛟劉の言葉を聞いて、落ち着きを取り戻す。

「まあ、潰すのを許可するわけやないよ。今は収穫祭の真っ最中で、他の参加者も楽しんどるんやから。・・・どうやろ?ここは一つ、箱庭らしくギフトゲームで決着を付けるというのは?」

蛟劉が胡散臭い笑みを浮かべながら提案する。
落とし所としては悪くないと考えた十六夜は素早く頷き、一輝もしぶしぶ納得する。百鬼夜行は収めていないが。

「そうだな・・・確か、二日後の“ヒッポカンプの騎手”が、収穫祭で一番大きなゲームだったな。それで決着を付け、敗者は勝者に土下座。異論はあるか?」

しっかりと決着の場を作り、相手の誇りをズタボロにする。

そのルールにグリフィスも納得し、本陣営を後にした。
十六夜と一輝におびえてさえいなければ、完璧だったのに・・・

「さて、そろそろそれ、しまったほうがよくないか?」
「それって?」
「気付いてなかったのか?背中を見てみろよ。」

一輝は背中を見て、初めて認識する。

「こんな顕現の仕方が出来るのか・・・いつから出てた?」
「蛟劉さんを説得していた辺りからです。」
「そうか・・・檻に戻れ。」

一輝がそういうと、それは消えた。

「二人とも、よう我慢してくれたな。ところで、君が陰陽師君か?」

蛟劉に指差され、一輝は肯定する。

「まあ、俺は陰陽師だけど。あんたが言ってるやつかは分からんぞ?」
「弟子から聞いた話いやと・・・妖怪を操り、魔王に立ち向かったっていっとったな。」
「それは間違いなく俺のことだな。」
「やっぱりか・・・悪いんやけど、一つええか?」
「・・・予想は付いてるし、言われたら仕方ないって思ってるから、どうぞ。」
「じゃあホンマに悪いんやけど、今回のゲームに参加せんどいてもらえるか?」

反対しようとする飛鳥に、百鬼夜行を召喚されたり、水を操られ
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