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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
破滅の抜け道 E
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そこにあるのは吹き荒れる暴風雨、炎を纏った大量の隕石、全てを破壊しつくさんとする稲妻、その全てが、世界を滅ぼさんとしている。

そんな場所にいれば、巻き込まれて死ぬのは確実なので、

「式神展開“防”結界陣!」

一輝は自分達を覆うように結界を張らせ、危機を逃れる。

「三人とも、無事?」
「はい、三人とも無事です。二人は気絶していますが・・・」

スレイブは音央と鳴央を支えている。破滅の気配にあてられ、気絶してしまったのだろう。

ちなみに、スレイブは今の今まで破滅サイドだったので耐性があり、一輝は中にいるものが強すぎたため、影響を受けていない。

「まあ、疲れてるんだろ。後は休んでてもらおう。」

一輝はギフトカードをかざし、二人を中に入れる。

「で、これからどうするのですか、マスター?」
「俺は、ヤシロちゃんを探して、救い出してくるつもりだ。」
「この破滅の中を、ですか?」
「ああ。俺のギフトなら、問題なく探せる。ここにあるのは、たいてい形がないからな。」
「なら、私はいても邪魔なだけでしょうね。」
「悪いけど、そうなるな。少しでも身軽なほうがいいし。」

一輝は本当にすまなさそうな顔で、スレイブを見る。

「構いませんよ。私は、マスターを信じて待つだけです。」
「ありがとう。必ず、このゲームをクリアするよ。」
「御武運を。」

スレイブは自分からギフトカードの中に入る。

「さて、いつも通り、行きますか。」

一輝は式神をしまい、水に乗って飛ぶ。
目の前にある竜巻を空気の膜をまとって突破し、降ってくる隕石は水で切り裂く。
くれぐれも、二つ目の勝利条件をクリアしてしまわないように、慎重にだ。

途中にいた化物たちは、ヤシロの言うとおりそこまで強くはなく、見向きもせずに切り伏せていく。

「さて・・・ヤシロちゃんはどこだ?」

一輝は視界が悪い中、必死に探し、途中で視覚をいじればいいことを思い出す。

「あせるな・・・冷静になれ、俺。」

そして、視覚をいじると、一瞬でヤシロを見つける。
そこまでの苦労(?)は何だったのだろうか。

「ここだけは、静かなんだ。」
「うん。ここは、台風の目みたいなものだからね。」
「なら、ゆっくりお話が出来るな。」

一輝はヤシロの横に座り、全身の力を抜く。

「戦える、じゃないんだ?」
「ああ。勝利条件に“ゲームマスターの打倒”は入ってないからね。むしろ、その逆だし。」

そう、今回のゲームの勝利条件は“少女を破滅から救い出す”こと。
ヤシロ本人と戦っては、意味がないのだ。

「で?ヤシロちゃんとしては、何から救って欲しいんだ?」
「それを言ったら意味がないよ。お兄さんが自分で考えないと。」

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