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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
白澤
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「ほう、我に気がつくとは。少々侮っていたようだ。」
一輝が放った水の刃が消え、一体の霊獣が現れる。
カモシカのような体、たてがみをなびかせた獅子のようであり、人のようでもある顔、角が二本に眉間にある三つ目の目、さらに両脇腹にも三つずつ、合計九個の目を持っている。
白澤
(
はくたく
)
だ。
「へえ、白澤か。こっちのネットワークではもう引退したことになってたけど?」
「確かに、ここ何百年かは誰にも知識を与えず・・・いえ、与えられなかったのだ。そう思われて当然だろう。」
「それが今更になって動く理由は、やつらと同じ?」
一輝は妖怪の死体の山を指差す。
「否。やつらのような妖怪と違い、霊獣は一種類につき一体しか存在しない。助けたいと思う相手など、いやしない。」
「なら、なぜここを襲った?」
一輝は問いを重ねる。
先ほどの妖怪たちのときと同じで、気になるのだ。
その答え次第では、敬意を持って、全力で相手をするつもりだった。
そして、白澤は答え始める。
「我が白澤であるためだ。」
白澤は九つの目で一輝をにらみ、続けた。
「先ほどおぬしが言っていたように、我は我が存在意義たる情報を与えられておらん。この状態で、どうして白澤を名乗れようか。」
「なら、伝えればいいだろ。東京でもどこでも行って来い。」
「それはできん。なぜなら、我が持つ怪異の知識は、ある時を境に、完全ではなくなってしまった。」
「・・・」
一輝は、原因に一つ、心当たりがあった。
これがあたりなら、鬼道の一族を襲ったのも、当たり前のことだろう。
それだけで解決はしないが、八割方解決といえるのだから。
そして・・・
「それは、貴様ら人間が妖怪を封印する手段を得てしまったことだ。」
一輝の予想は的中した。
「一般的に使われている瓶に魂を封じる方法、これはまだよい。その瓶を見ることが出来ればその情報を読み取ることが出来る。本音を言ってしまえば会うべきだが、贅沢は言えん。」
一輝は自分の考えを訂正する。
八割ではなく、十割達成できる、と。
なぜなら・・・
「だが、貴様らの一族は違う。ぬらりひょんと対等の契約をし、自身にその魂を封印し始めた。これではその情報を読み取れない。」
そう、これが理由だ。
瓶詰めにすれば
(
普通なら
)
問題ないが、
檻に閉じ込めると
(
異常だと
)
問題がある。
だから、異常を殺しに来たのだ。
「これで、我が目的は理解したな?」
一輝は確かに理解した。
だが・・・
「ならばその命、我に」
「黙れよ、クソ野郎。」
尊敬するには、値しなかった。
そして、怒りを静かなものに抑えていた尊敬の念はなくなり、純粋な怒りへと代わる。
「他のやつらみたいに、自分と
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