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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
サボる
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二年前、中学三年生の夏休み、一輝は十時に起きた。

「ふぁ〜。もう十時か・・・」

すでに四度寝くらいまでいっているが、さすがに寝なおす気は無いようで布団から出ると、枕元においてある携帯を開く。
そこには『不在着信 一件』とあるが、誰からの電話かを確認すると、携帯を閉じる。掛けなおす気はないようだ。

「まずは・・・メシか。」

一輝は部屋の障子を開き、食卓へと向かう。
途中で、木刀の素振りをしている集団が目に入る。

「一輝さん、おはようございます!」
「「「「「おはようございます!」」」」」

その集団が一輝を確認するとすぐにそろって挨拶をしてくる。
彼らは一輝の家・・・神社に陰陽師としての修行のため、弟子入りをしている人たちで、そこの長男である一輝を目上の人として扱っている、が・・・

「おはよう、今日も朝早くから元気だね。眠くないの?」
「もうすでに始めてから五時間はたっていますので、眠気はとびました。」
「・・・そのころはまだ二度寝にも入ってないよ・・・後、敬語は違和感があるからやめてって言わなかったっけ?」

一輝としては、この明らかに年上の集団から目上として扱われることに違和感が半端ない。

「我々は弟子入りをしている身ですから、無理です。」
「・・・はぁ。さいでっか。じゃあ俺はメシ食ってくる。」

後ろで挨拶をしているが、気にせずに食卓に向かい、たどり着く。
一輝の先祖がかなり頑張って妖怪退治をした結果、無駄に広い神社なので、食卓までの距離は遠い。歩いてる間にもどんどん空腹になっていた一輝は自分の分を見つけると、すぐに食べ始る。

「いただきます。」

目の前にあるザ・和食を食べながらテレビをつけ、ニュースに合わせる。

『昨夜未明、男性二名が殺害されました。警察は牛鬼の犯行と見て、陰陽師に捜査依頼をだし、現在近辺の山を捜索中です。また、牛鬼による犯行は今年に入ってからこれで十三件目で―――』
「へえ、また牛鬼出たんだ。討伐依頼、来ないかな〜。」

今のニュースでもわかるように、一輝の世界では当たり前のように妖怪が出没する。
街には、人と共存する妖怪もいるが、大体は人を襲っているため、その妖怪を倒せるであろう陰陽師や陰陽師の卵に討伐の依頼が来る。
報酬は、政府が決めた妖怪の種類別の討伐金と依頼主からの支払いで、これが結構な額だったりする。
そして、どんな妖怪を倒したかを陰陽師と陰陽師の卵に渡されるライセンスが記録し、市役所などで申請することで口座に振り込まれる仕組みだ。

「ごちそうさまでした。」
「おそまつさまでした。もう少し早く起きれないの?」

食事の最中に来た母親から質問をされたので、一輝はいつもどおりのことを答える。

「深夜枠のアニメを見
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