歌い手、変態に出会う
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さんが説明している途中で、春日部さんが後ろから小声で話しかけてきた。
なんだか、召喚された世界のことを聞いた辺りから思案顔だったんだけど、どうかしたのかな?
「うん、いいけど。どうしたの?」
「ちょっと気になることがあったから、確認しようと思って」
「それって、湖で言ってた勘違いのこと?」
「うん、それ。じゃあ、いい?」
「どうぞ」
さて、一体どんな質問が来るのかな?
「奏って、もといた世界で『奇跡の歌い手』って呼ばれてなかった?」
「・・・はい?」
いや、呼ばれてたけど・・・なんで春日部さんが知ってるの?
「呼ばれてないなら、それでいいんだけど、」
「あ、いや。呼ばれてたよ。でも、なんで春日部さんが」
その呼び方を知ってるの?そう聞こうとしたら、
「いぃぃぃやほおぉぉぉぉぉぉ!久しぶりだ黒ウサギイィィィィ!」
「きゃあーーーーー・・・・!」
「何があった!?」
ちょっとそれどころじゃなくなった。
僕と春日部さんは二人で水路のほうへと歩いていき、和服の幼い少女に抱きつかれて水路に落ちている黒ウサギを見た。
「し、白夜叉様!?どうして貴方がこんな下層に!?」
「そろそろ黒ウサギが来る予感がしておったからのう!ほれ、ここが良いかここが良いか!」
・・・あれ?勘違いじゃなければ少女がおっさんっぽいことを言いながら黒ウサギさんにセクハラしてるぞ・・・それに、今黒ウサギ白夜叉“様”ってよんだよな・・・こんなのが結構偉い立場だったりするのか?
「離れてください!」
あ、白夜叉・・・さん投げられた。
で、その先では何か逆廻君が足を構えてるし・・・まさか・・・
「てい」
「ゴバァ!お、おんし、飛んできた美少女を足で受け止めるとは何様だ!」
蹴ったー!何のためらいもなく蹴ったー!
それと白夜叉さん!確かに美少女なのは認めるけど、自分で言うのはどうかと思うよ!
「さて・・・大丈夫、黒ウサギさん?」
「はい・・・ありがとうございます奏さん・・・」
黒ウサギさんに手を差し出すと、それをつかんで水路から上がってきた。
どう聞いても元気がない声だな・・・多分、これからも苦労していくんだろうな。
「はい、タオル。なんというか・・・頑張って」
「はい・・・頑張ります・・・」
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