歌い手、変態に出会う
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ないわ」
「やっぱりこうなったか・・・まあ、僕も飛鳥さんと同意見だけど」
まあ、この場でこの意見を言う僕も黒ウサギさんには悪いな、と思う。
でも、フン、と鼻を鳴らしてる二人ほどじゃないと思うんだ。
「だ、駄目ですよ御二人とも!御二人はコミュニティの仲間なんですから、協力していただかないと」
やっぱり、僕のことを忘れるくらいに二人の態度が気になってる。
まあ、予想はついてたんだけど・・・悲しいものがあるな、これ。無視されてるみたいで・・・
「奏さん?どうかしましたか?先ほどから心ここにあらず、という様子ですが・・・」
「あ、大丈夫。大丈夫だから気にしないで。で、話は終わったの?」
「はい。今から皆さんのギフトを鑑定していただくために“サウザンドアイズ”というコミュニティに向かうところです」
「うん、分かった。話聞いてなくてごめんね?」
「いえ、どうぞお気になさらず。あの問題児様がたのようにだけは、決してならないで下されば、それで・・・」
なんだろう、まだ一日もたってないのに黒ウサギさんが一か月分くらい苦労したように見える・・・
「うん、朱に交わっても赤く染まらないよう、頑張るよ」
そう言いながら、勝手に進んでいく問題児達を指差す。
「あ、皆さん!勝手に行かないでください!そちらではありません!!」
黒ウサギさんが何とか三人を連れてくる。今度こそ目的地に向かえるかな?
「もう!なんで貴方達は勝手に進んでいくのですか!」
「「「だって、そこに道があるから」」」
そんな山みたいな理由で!?
「はぁ・・・もういいです、諦めました。では、サウザンドアイズに向かいましょう」
黒ウサギさんはそう言いながら僕たちを先導していく。
さて、サウザンドアイズに向かいながら道脇を見ると、そこには街路樹が植えられていた。異世界でも街路樹って植えてるんだな。
「にしても、きれいな桜だな〜。僕のいた世界では、咲くまでもう少しかかりそうだったけど」
「いえ、少し花弁の形が違うわ。それに、もう真夏じゃない」
「いや、まだ初夏になったばかりだ、気合の入った桜が残っててもおかしくないだろ」
「・・・?今は秋だったと思うけど」
あら?何故全員の意見が食い違うんだ?一人くらいなら勘違いで片付けるんだけど。
そんなことを考えていると、黒ウサギさんが笑いながら説明してくれた。
「皆さんはそれぞれ違う世界から召喚されているのです。なので、時代以外にも歴史や文化、生態系など違う箇所が多々見つかるはずです」
「へぇ、パラレルワールドってやつか?」
「近いですが、正解ではありませんね。正しくは立体交差世界論とうのですが、」
「奏、ちょっといい?」
黒ウサギ
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