第5章 契約
第72話 廃墟の聖堂
[12/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
つまり、オマエさんに能力を与えた神と言う存在が、俺よりも能力が低かった。ただ、それだけの理由やな」
そんな相手に真正面から挑んで勝てる理由と言う物が有るのなら、そちらの方を教えて貰いたいぐらいですよ。
刹那、俺の左右から挟み込むようにして、その年頃の少女に相応しい細い腕が振るわれる。
しかし!
一瞬前まで俺の頭が有った場所で、むなしく空を切るかぎ爪。
そして、その瞬間、左右に存在していた白き修道女の衣装に身を包んだ少女たちが、足払いを受けその場で倒れ込んで仕舞った。
そう、その攻撃を仰向けに倒れ込む事に因り完全に回避する事に成功した俺が、間髪入れずにその場で体操選手があん馬の技を見せるような自然な流れで、左右から挟み込むように接近していた白き修道女たちの足を払って居たのだ。
その瞬間!
俺の周囲を取り囲もうとした白き修道女たちが緑色の液体を撒き散らしながら、次々と倒れて行く。
ティターニアが放つヤドリギの矢、更に湖の乙女が放った氷の刃が、白い手袋を引き裂いて巨大なカギ爪を露わにした元修道女の少女たちを瞬時に打ち倒して行ったのだ。
そう。彼女たちが手を出して来るのなら、俺の背後に存在する少女たちが俺を護るために動き出す事は必然。
華奢な手に不釣合いなカギ爪を振り上げた瞬間、緑の液体を撒き散らせて跳ね飛ばされて仕舞う、薄いヴェールと白のウィンブルに覆われた元修道女の首。
ほぼ一瞬の内に俺の傍へと進み来て並ぶ蒼き吸血姫の右手には、彼女の霊気の高まりに合わせて光り輝く七星の宝刀。
その輝きに、少し気圧されるかのように包囲を縮めようとした元修道女にして、現在は異形のモノと化した存在たちの動きが一瞬止まる。
光りを恐れ、緑色の体液をばら撒く従者――――
アンデットを操る能力と湖の修道院と言う名前――――
更に、夢遊病者のような状態で犠牲者たちを自らの元に招き寄せる邪神――――
一瞬、今回の事件の黒幕に関するヒントから類推出来る邪神の名前が頭の中に過ぎて行く。
しかし、それも刹那の時間。
二人の修道女の足払いを行った姿勢から、身体のバネと腕の力を利用して前方へ向け跳ね上がり、床に転がされたジュールを越え、その包囲を縮めようとした元修道女。現在は、アンデットの化け物の少女たちの中心に飛び込む俺。
その瞬間。
屋根が完全に焼け落ちた廃墟の聖堂内が蒼白き強力な光りに包まれ、
そしてそれに続く爆音。最後に、すべてを吹き飛ばす猛烈な衝撃破が発生した。
そう。飛び込んだ瞬間に、俺の生来の能力で召喚された雷撃と、湖の乙女。更にはタバサに因り召喚された雷公の腕が周囲に存在していた元修道女の少女たちを吹き飛ばし、彼女たちを可憐な修道女の姿から、本来のおぞま
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ