第5章 契約
第72話 廃墟の聖堂
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、大地に転がって居るジュール。
「せやから、オマエさんの攻撃は遅すぎて、更に術への抵抗が低すぎるから簡単にカウンター用の術式を組み上げる事が出来る、と言う取るだろうが」
床に転がされたジュールを結果的に上から目線となる位置関係から見つめながら、そう話し掛ける俺。
但し、この部分に関しては少しばかりの欺瞞が存在しています。この作用は自らに施して有る神明帰鏡符の効果により、一度だけあらゆる物理攻撃を完全に反射させただけ。
流石に、あの瞬間に現れた鎖の持つ呪いをすべて解析して、その効果を完全に反射する術式を組み上げられるほど、俺は完璧超人と言う訳では有りませんから。
もっとも、兵は詭道。こんなトコロですべてのタネを明かしてやる必要は有りませんから、この説明だけで、廃墟の聖堂の床の上に己の召喚した鎖に因って雁字搦めにされて転がって居る、このジュールくんには十分でしょう。
そして、完全に簀巻きにされ、身体の自由を奪われたジュールに無造作に近付き、懐から取り出した二枚の呪符をヤツの額に張り付ける俺。
一枚は、先ほどから術として使用している相手の術の発動を防ぐ呪符。
もう一枚は、身体の自由を完全に奪って、身動きする事さえ出来なくする呪符。
これで、自ら召喚した鎖でぐるぐる巻きにされたコイツが、これ以上何かを出来る事は無くなりますから。
最早、物理的な影響さえ出ても不思議では無いレベルの視線で俺を見つめるジュール。もっとも、この程度のヤツにどう思われようとも、俺自身は屁とも思わないのですが。
「何故、神にすべての系統魔法のスクエアクラスの才能や、その他の能力を与えられた英雄に成るべき俺が、キサマのようなクソ餓鬼に負けなければならない」
何か、良く判らない理由で、言葉のみで俺に噛みついて来るジュール。
ただ、そんな簡単な事も判らないから、俺に喧嘩を売った挙句、返り討ちに遭うと言う醜態を晒す事と成るのでしょうが。
少し肩をすくめて見せる俺。そんな俺を、相変わらず殺意の籠った視線で見上げるジュールくん。
「どんな神の恩寵でその能力を得たのか判らへんけど、その神から与えられた能力と言うのは、おそらく、その神を殺す事は出来ないレベルやろう。
それとも何か。その神に牙を剥く可能性の有る英雄に、自らを倒せるだけの能力を与える自殺願望の有る神様だったと言うのか、オマエに能力をくれた神様は」
非常に判り易い説明を行う俺。
そう。どんなに一般人よりも優れた能力が与えられたとしても、コイツの能力は神に与えられた能力。それ故、その能力を与えた存在以上には絶対に成り得ません。
対して俺の能力は、神話上でも……。更に現実でも、その神を屠る能力を持つ龍種で有り、仙人でも有ると言う存在。
「
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