崑崙の章
第18話 「むにゃむにゃ……もう食べられないのだ……」
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か?」
「にゃ?」
「い、いえ、なんでもありません……ただ、ちょっとご注意が。出てきた料理の色を見て、驚かないでくださいね」
おっちゃんはそう言うと、厨房に入っていったのだ。
料理の色を見て驚くな?
なんか変な色なのかなー?
「お待たせしました……『どらいかれい』です」
「おお! 美味しそうな匂い……にゃー!?」
鈴々は、その料理の色と形を見て、驚いたのだ。
こ、これは……これはまるで!
「あああああああ! 張飛様! 大丈夫です! ちゃんと味見もしました、問題ありません! これは『アレ』ではなく、立派な料理です!」
鈴々の取り乱し様に、おっちゃんが慌ててそういうのだ。
で、でも……これはどう見ても……
「……うううううう。お、おっちゃんを信じるのだ……そ、それにこんなにいい匂いなものが、『アレ』なわけないのだ……」
「はあ……私も最初作ったときは、その色と出来栄えに顔を顰めましたがね。でも、作り方にもそう書いてありますし、なによりそういう色と形に惑わされるなと……」
おっちゃんは、書かれた竹簡を鈴々に見せる。
!?
その文字の書き方は……
「こ、これ、お兄ちゃんの字なのだ!」
「は? ああ……らしいですね。軍師様からお聞きしましたが」
「お兄ちゃんの料理なら、鈴々は『アレ』でも食べるのだ! いざっ!」
ぱくっ!
…………
………………
……………………
うっ……
「うんまぁぁぁぁぁい、のだー!」
「ほっ……」
おっちゃんが安堵の息を漏らすのだ。
でも、鈴々はそんなのかまってられないのだ!
「これ、挽き肉を混ぜてあるのかぁ!? 汁っけはないけど、すごく美味しいのだ!」
「えーと……これは、挽肉とみじん切りにした野菜を炒め、頂いた『こうしんりょう』で風味をつけ、拉麺の下汁で味付けをして煮詰め、平皿に盛った白飯に載せた料理……と書いてあります。たぶんこれでいいと思うのですが」
「美味しいのだ! これは美味しいのだ!」
「ああよかった。あと、炒飯に『こうしんりょう』を混ぜて炒めた種類のもありますが……お食べになりますか?」
「いくらでも食べるのだ! どんどん持って来いなのだー!」
鈴々は、お腹の限界突破しても食べるのだーっ!
―― 関羽 side ――
「……それで、この惨状だと?」
「はあ……」
山盛りになった空き皿。
食い散らかされた食材の数々。
倒れ伏している料理人の面々。
そして、汗を滝のように流す料理長と――
「げっふぅ……なのだぁ……」
自身の身の丈よりも膨らんだ腹を見せつけるかの如く、食卓の上で大の字で横になっ
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