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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第140話】
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反応しなかったぞ――。


そう思い、船を拡大して見ると――。


「ちっ、あの船、ハイパーセンサーに捉えにくい装置を積んでるな……」


――じゃなきゃ、ISがもっと前に反応してる筈だ。

後で通報することにして、今は福音を止めないと。

そう思い視線を福音へと向けて加速――ちょうど篠ノ之が、福音の光弾の雨を紙一重で避け、福音へと迫撃をかける。

その一瞬――福音の動きに隙が出来たのだが一夏は福音とは真逆の直下――海面へと瞬時加速した。


「一夏!?」

「うおおおっ!!」

「何……っ!?」


一夏が向かう先には一発の光弾――そして、その先にあるのはさっきの船――だが、光弾のコース、爆発の範囲を計算しても波を被る程度の被害しか見えないのは明白だった。

だが、既に一夏の目には、その光弾が当たり、沈みゆく船のイメージしかなく――迷うことなく光弾を切り払った――。


「何をしている!?せっかくのチャンスに――」


「船がいるんだ!海上は先生たちが封鎖したはずなのに――ああくそっ、密漁船か!」

「一夏!あのコースなら船には直撃しなかったぞ!――くっ、あの船…」


船に視線を落とすと、慌てたようにこの海域を離脱していく。

――だが、もう通報したから捕まるのは時間の問題だろう。

――と、光の刃を放つ雪片弐型から刃が消え、装甲が閉じると実体刃が現れた。


「過ぎたことをいつまでも言っても仕方がない、一夏、篠ノ之。言い争いは後にして今は体勢を――」


そう言葉を続けるが、それを遮るように篠ノ之は――。


「馬鹿者!犯罪者等を庇って……。そんなやつらは――!」

「箒!!」

「ッ――!?」

「箒、そんな――そんな寂しい事は言うな。言うなよ。力を手にしたら、弱いヤツの事が見えなくなるなんて……ヒルトの事にしてもそうだ。……どうしたんだよ、箒。らしくない。全然らしくないぜ」

「わ、私、は……」

「一夏、篠ノ之――今は実戦だぞ。言い争いは後にしろ――」


そう更に言葉を続けようとし、篠ノ之を見ると今まで見たことがないぐらいの、明らかな動揺した表情を浮かべ、それを一夏や俺に見られまいと両手で顔を覆う。

その時に落とした二振りの刀は、海面に落ちる途中で光の粒子となり消えていく。

それを見た俺と一夏の表情に、焦りの色が浮かぶ。

具現維持限界――俺もそれを応用した技を持っているが、この具現維持限界はそれとは違い――操縦者の動揺による強制的エネルギー切れを意味する。

――戦う意思がなくなった人によく起こる現象だ。


「箒ぃぃぃっ!!」


そんな一夏の叫びが辺り一帯に響く――それと同時に、一
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