第九十九話
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三姉妹は最初は要請を拒否したが、劉備の何回にも及んだ説得に最初は長女が納得して、ついで次女、そして最後に三女が納得したのであった。
これにより、蜀は更に兵力の補充に成功して六十万の兵力になっていた。
「華琳様、このままでは……」
「……負け戦ね」
曹操はそう呟いた。魏軍は数こそ約七万の兵力だが、軍としての機能が出来てなかった。
「……華琳様、仲に亡命してはどうですか? 袁術なら華琳様をとやかくしたりは……」
「……判っているわ。でも……」
それも一つの手であったが、曹操のプライドはそれを許そうとしなかった。
しかし、此処でまごまごしていては蜀が侵攻してくるのは明白であった。
「華琳様、失礼ッ!!」
「グフッ!?」
夏候惇が曹操の前に出て曹操の鳩尾を殴って曹操を気絶させた。
「姉者ッ!?」
「ちょ、ちょっと春蘭ッ!!」
夏候淵と筍イクは夏候惇の行動に驚いたが、夏候惇は続けた。
「仲に亡命しよう。最早それしかない」
普段の夏候惇とは大違いに皆は驚いたが、夏候淵は直ぐに我に返って亡命の準備を始めた。
「亡命するのは良いが兵士はどうするんだ姉者?」
「好きにさせよう。蜀に降伏するのも良し、故郷に帰るのも良し。皆の好きにさせよう」
そしてお触れが出回ると兵士達は次々と逃げ出した。皆、自分の命が大切なのだ。
また、曹操を討ち取って名を上げようとする輩もいたが全て夏候惇に斬り捨てられた。
夏候惇達武官や文官はその日のうちに許昌を脱出して仲へ目指すのであった。
「何? 許昌の魏軍が降伏してきた?」
「はい、そうです。ご主人様」
孔明からの報告に北郷は驚いた。
「……敵の欺瞞じゃないよな?」
「いえ、欺瞞ではありません」
「……慎重に行こう。相手は曹操だ、何か企んでいそうだ」
北郷の判断により、許昌から脱出した夏候惇達は無事に仲へ向かうのであった。
「ご主人様、本当に私がやってもいいのかな?」
「あぁ、大丈夫だ桃香。君にはその資格がある」
「そうですよ桃香様。桃香様がやってくれるなら私達も戦う意義がありましゅ」
「……判ったよご主人様、朱里ちゃん。私やってみるよ」
劉備は何かを決意したかのように頷くのであった。
「……取りあえずは関門は突破したかな?」
「そのようですねご主人様。早速お触れを貼り出しましょう」
「うん。それと曹操達の行方は判った?」
「……残念ですがまだです。ですが、大体は判ってます」
「……仲か」
北郷の言葉に孔明は無言で頷く。
「……仕方ない。暫くは様子見にしよう」
「そうです
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