勇者と盗賊
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シロンは、目の前にいる肌の焼けたスキンヘッドの男の言うことが信じられなかった
「そんなの嘘ですっ!!」
シロンは涙を流しながら言った、しかし男はそれを嘲笑うように言った
「いやいや、本当だぜ、今頃そいつはボコボコにされてんじゃねーか?」
「そんなハズありません!!」
シロンはそう否定したが、涙が一向に止まらなかった
そると、集団がざわめき始めた、それを見た男はニヤニヤと笑いながら言った
「おっ、どうやら来たみたいだぜ」
その言葉を聞きシロンは集団の方を見た
集団の奥の方に見える人影、1人の男が血だらけの男を引きずって歩いている
「うあぁぁぁあああああ!!」
集団の中から悲鳴が上がった、声からして悲鳴を上げたのはシロン達が捕らえていた男だろう
シロンは疑問に思った、何故盗賊が悲鳴を上げる?悲鳴を上げたいのはこっちだというのに、そこでシロンは気付いた、引きずられているのは御伽勇真ではない、それ引きずって歩いている男こそが御伽勇真だ
「そんなバカな!!」
スキンヘッドの男は驚愕の声を上げた、男は目の前の状況を理解できないのだろう
勇真は言った
「ソイツを返してもらうぜ」
次の瞬間、勇真の体が光った
ズバァァアアン!!
勇真は文字通り光の速さで走り、シロンの居る場所に辿り着いた
「マスター・・・」
シロンはかすれた声で言った
「大丈夫だったか?シロン」
勇真はそう言いながら、泣きじゃくるシロンの頭を撫でてやる
呆然としていたスキンヘッドの男はそこでやっと状況を理解できたのか、油汗をかきながら言った
「な、なにをしている!早くこの男を捕まえろ!」
男の声に、呆然としていた盗賊達は気を取り戻すと、勇真に襲い掛かる
勇真はシロンを抱きかかえると、また光の速さで走り、盗賊達と距離を取る、そして手元に剣を出現させると、シロンの体を縛っている縄を切った
「マスター、ご無事で良かったです」
と、シロンは言った
「ああ、お前も無事で良かったよ」
と、勇真は言うと、シロンの頭をもう一度、軽く撫でてやると、盗賊達の方を見て言った
「ちょっと待ってろ、すぐに終わらせてくる」
そして勇真は剣と体に光を纏わせると、盗賊達に向かって走り出した
盗賊達の数は約30人、たが勇真は恐怖を微塵も感じなかった、感じるのは敵意と殺意だけだった
「さあ、全員殺してやるよ・・・ッ!」
そして勇真は盗賊に斬りかかっていった
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