星屑の覚醒
6 怒りと恐怖
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」
『光や音、そして狂気だ。奇術師が使うような手品に近いが、混乱した状態ならば、君というものが脅威に思える。そして狂ったような態度は次に何をしてくるか予想出来ない。それによって恐怖を与えられる』
「君はどうしてこんなことを始めたの?」
『...私が始めたわけではない。私よりもずっと昔、それでこそ何千年も前だ。『紺碧の闇』はこれまでローマを滅ぼし、シャーロの革命を引き起こし、アメロッパの独裁政治を破壊した。世界中でデンサンシティ以上に腐敗した街がこれまでも、そして現在でも存在する。我々はそのような悪の蔓延る場所に現れては潰してきた』
「じゃあ君は...君たちはそれは受け継いできたっていうことか...」
ダークネスはそう告げて一瞬にして姿を消した。
これこそ本当の雲隠れだ。
忍者としか言い様がない。
そして驚愕の事実だ。
社会の授業で教わる歴史上の革命や、反乱の一部はこの集団の手によるものだった。
彩斗はトランサーから通信SIMを引き抜き、電源を入れた。
ネットに繋がっていない状態でGPSも使えなければ、居場所を特定されることもない。
そしてこの森の中ではそんなことをせずとも基地局が無いため、無駄にも思えるが念のためだ。
そしてメリーの写真を表示した。
「メリー....ヒナ...」
心の癒やしだった。
本来なら復讐心と恐怖を克服するという目的が無ければ、逃げ出しているところだった。
そして画像ビューアーを停止すると、青を貴重にしたホーム画面からメールアプリを開く。
「...これが僕にとっての決断だ。こんなプログラムを起動しなくても、自分の答えくらい自分で見つけられる」
例のメールを開いた。
今ならこのメールに頼る必要はない。
このメールのプログラムを開かずとも、自分にとっての新しい世界を知ることが出来る。
そう思い、「削除」を選択した。
彩斗は1人きりで教会の礼拝の際に教会にやってきたものたちが座る長椅子をベッド代わりに数日ぶりの睡眠を取り始めた。
毛布が1枚だけだが、未だに気温が夏さながらの10月下旬だ。
十分事足りた。
だが寝る間際、再び自分の夢に登場する少女について考えていた。
確かに慈悲がなければ、人としては二流だ。
どんな犯罪者であろうとも何かしら拠ん所ない事情があったのかもしれない。
だが自分はそれを情け容赦無く、殺害することを目的としている。
不良にだって勉強へのストレス、家庭事情から来た幼児退行などの事情はあったのかもしれない。
だがミヤや自分を痛めつけてきた事実だけで手に掛けようとしている。
つまり自分が人からかけ離れた存在に近づいていくことだった。
「もう4日目です。あの虚弱な体でここまで耐えるとは...何者ですか?」
『我らが同士だ。我々同様の悪を憎
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