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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-36守るべきもの
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みなさい、みんな!」
「おやすみなさい、ホイミン。……ちゃんと起きろよ、兄さん」
「起こしてくれんだろ?」
「それは、するけど。起きろよ、ちゃんと」
「わかってるよ」


 部屋に戻る三人を見送り、大人たちは飲み始める。

「……かー!やっぱ、こうじゃねえとな!やっと、ありつけたぜ!」
「お待たせしちゃって、申し訳なかったわねえ。たくさんあるから、どんどん飲んでちょうだいね!」
「トルネコさん……」
「大丈夫よ。ちゃんと、適当なところで、とめますから。」
「そうですよね。頼りにしてます」

 静かにグラスを傾けるライアンに、マーニャが声をかける。

「ライアン、なかなかいい飲みっぷりじゃねえか。……結構、強えヤツだよな、それ。大丈夫か?」
「バトランドの火酒だな。飲みつけている。問題無い」
「……顔色も、変わらねえな」
「そうだな」
「……強えのか?」
「潰れたことは無いな」
「おし!飲み比べようぜ」
「……いいのか?ミネア殿」

 マーニャに話を振られ、ライアンがミネアに確認を取る。

「すみません、やめてください。やめてくれよ、兄さん!明日は、バルザックと戦うんだろ!」
「ちっとくらい、大丈夫だろ」
「絶対に、少しじゃすまないだろう!」

 声を荒げるミネアを横目に、トルネコがクリフトに問う。

「クリフトさんは、お酒は、飲まれますの?」
(たしな)む程度でしたら」
「そうよね。神官さんですものね。そんなにお飲みになる機会も、ないわよね。」

 マーニャが、クリフトの手元を()(とが)める。

「おい、クリフト。それ」
「……火酒だな」

 ライアンが、冷静に指摘する。

「……え?ひ、ざけ?です、か?」

 既に呂律の回らなくなったクリフトが、グラスを取り落としそうになり、ライアンが受け止める。

「おっと」
「あら?ありがとう、ございますー。ライアン、さん」
「大丈夫か、神官殿。部屋に戻られたほうが、良いのでは」
「らいじょうぶ、ですわー。それに、わたくしは、クリフト、ですわ。どうぞ、そう、およびください、ませ」

 マーニャが、ブライに囁く。

「おい、ばあさん。大丈夫か、あれ」
「ふむ。クリフトが酔うほど飲むのを見たことは、無かったがの。どうせああなってしまったのじゃ、酔った勢いでライアン殿に慣れさせておくのも、良かろうて」
「それもそうだな。戦闘中にいちいちおかしくなられても、困るしな」
「いいんですか?本当に」
「覚えておれば、居たたまれなくなるであろうがの。その程度で済むならば、それも経験じゃて」

 そんなやり取りも聞こえぬ風に、クリフトがライアンに説教を始める。

「ひとには、えてふえてが、あるもの、
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