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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-36守るべきもの
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、聞いてこなかったけれど。いい機会だから、いろいろとお話を、聞いておきたいわね!どうして人間になろうと思ったのか、とかね!」
「え?ぼく?……えーとね」
ホイミンの身の上話にトルネコ、ブライ、クリフトの女性陣が涙ぐみ、一行はなおも歓談を続ける。
「ライアンも、山で、育ったのね。わたしと、同じね」
「そうですね。
尤
(
もっと
)
も私の場合は、山の中の村では無く、本当に山の中の、小屋でしたが」
「村じゃ、ないの?」
「はい。村から離れた小屋に、祖父と住んでおりました」
「そうなのね。お父さんとお母さんは、いなかったの?」
「はい。死に別れて、祖父に引き取られたもので」
「そうなの。……ごめんなさい」
「いえ。それも、ユウ殿と、同じようなものです」
「……魔物に。殺されたの?」
「はい」
「そう。……だから、戦士に、なったの?」
「そうですね。王宮に呼ばれねば、考えはしなかったかも知れませんが。なると決めたのは、その為です」
「そう。……魔物が、憎い?」
「どうでしょう。両親を殺した魔物のことは、憎いかも知れませんが。探せる訳では、ありませんから。それよりも、私は、守りたい」
「……なにを?」
「同じように魔物に襲われるかも知れない、力無き人々を。幼い私を、あの日助けてくれた、戦士のように」
「そう。……だから、わたしのことも、守ってくれるの?」
「はい。力及ぶ限り」
「……わたしが、勇者だから?」
世界を守るために、勇者は守らなければならないから。
勇者が、世界を救うから。
「はい。
貴女
(
あなた
)
が、勇者だから。まだ幼い子供でありながら、重い運命を負わされた、勇者だから。誰よりも危険に晒される、子供だからです」
「……子供、だから」
「はい。子供は、守られるべきものです。本来は、戦いからも遠ざけて、守るべきものです。しかし、貴女は、戦う理由があると仰った」
「……うん。わたしも、守りたいものが、あるから」
「ならば、その想いごと。私は、貴女を守りましょう。結果、世界は救われるかも知れませんが、それはまた別のことです。まずは、貴女を。私は、守ります」
「そう。……ありがとう、ライアン」
「いえ。……間に合わなくて、申し訳無い」
「ううん。みんなが、決めたことだから。仕方なかったと、思う。来てくれて、ありがとう」
「はい。ありがとうございます」
夜も更け、少女とホイミンは促されて席を立ち、アリーナも明日に備えるとして続く。
「あとのことがあるからな。行きは、キメラの翼でいいとして。オレも着いてって、帰りはルーラで連れてきてやるよ」
「
忝
(
かたじけ
)
ない、マーニャ殿」
「それなら、今度くるときは、船も一緒にこられるもんね!ありがとう、マーニャさん!おやす
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