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ソードアート・オンライン〜ニ人目の双剣使い〜
百足巨人の猛攻
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なにを今更、という話なのだが、慣れないものは慣れない

「行くぞ!」

「俺様がミンチにしてやるぜぇぇぇ!!」

「クライン、うるさい。ペーストになれ」

クラインの雄叫びに文句を言いつつ、剣を鞘から抜いて走る
対する巨人は足を地面に落とすと、地面がせりあがり、巨人が掴んで引き抜くと、それは槍へと姿を変えた
頭上で二、三回ほど回すと巨人は準備ができたらしく、巨大な雄叫びをあげた

「おりゃぁぁぁ!!」

クラインの気合いとともに放たれた居合斬りが巨人の持つ槍とぶつかった
結果は、クラインの負け
弾かれて十数メートルほど後ろに滑るクライン
そこに追撃の突きが放たれた

「っ……重い……」

クラインの前に割り込んで突きを受け流す
線による攻撃の斬撃とは違って突きは点による攻撃だ
俺が得意とする受け流しは相手の攻撃に剣を添わせ、徐々に力を加えていって、僅かな力で軌道を変えるものだ
故に突きには使用しにくい
少なくとも俺はできない

やむおえず槍の先を払うように軌道を変えたのだが、その際に発生した衝撃が大きく思わず声が出てしまう

「わりぃ、助かった!」

「礼なんて、してる、暇なんか、ないだろ!」

縦横無尽に振り回される槍を逸らし続ける
衝撃は最小限に軽減しているはずなのに、気を抜けば腕が弾かれて死に体を晒しそうなほどの衝撃が腕や剣に走る

後ろでポーションを飲んでいるクラインに切れ切れながら文句を言いながらも時間を稼ぐ

剣撃の音が聞こえることからキリトたちも攻撃しているのだろう
ここは俺が耐えなければ誰が耐えるのだろうか

恐らく、メンバーで最も継戦能力が高いのは俺だろう
キリトやクラインはパリィメインだし、ユウキやアスナは回避メインだが、こちらもまたパリィを織り交ぜる
衝撃を最低限に抑えられる受け流しを操る俺でさえこうなのだ
パリィで防ごうものなら力に負けてそのまま斬られるオチが見える

「リン、スイッチだ!」

「無理だ。クライン、お前は、足の方に、回って、くれ」


回復を終えたクラインが俺にスイッチを宣言するが拒否する
理由は前述の通り
クラインでは抑え切れない

「……チィ、死ぬなよ!」

「お前こそ、ペーストに、なるなよ?掃除するのが、面倒だ」

自身が受けきれないのは先程こいつの攻撃を受けてみて重々承知だったのだろう。悔しそうに顔を歪めているが否定の言葉が一つも出てこない
クラインもこんな性格だが、アインクラッドでは一握りの猛者だったのだ。敵と自分の戦力の分析はおてのものである。そうでないと生き残れない

「はっ、言ってろ。ラストアタック盗られて泣きべそかくんじゃねぇぞ!」

捨て台詞を吐いてキリトたちの加勢に向かう
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