―幻魔降臨―
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ら、名前だけはもちろん知っているだろう。
まさか、そんな人が黒幕だとは鮫島校長も思うまい。
「だが、三幻魔を完全に律するには、精霊を操る力が必要だと分かった彼は、黒崎遊矢。君の精霊を操る力を奪うつもりだ」
「なっ……!?」
精霊を操る力と言われても、俺にそんな力は無い。
そもそもカードの精霊の姿も見えないのだ。
「いや、君には遥かに強い精霊の力が宿っている……ただ、気づいていないだけだ……ぐっ!」
まだ話は途中だろうが、大徳寺先生の身体が消えていく。
ホムンクルスの身体という奴に限界が来ているのだろうか。
「大徳寺先生!」
「……最期に、このカードを渡す。私が、自らの錬金術を結集して呼びだしたカードだ……」
消えゆく大徳寺先生が、最期に一枚のカードを俺に渡してくる……だが、そのカードには何も描かれてはいない。
「時期が来れば、そのカードは蘇る……それと」
身体は徐々に消えていき、もう頭しかまともに無い大徳寺先生は、先生として錬金術を教えてくれていた時のように赤い目を糸目にして笑った。
「……いつも真面目に授業を受けてくれて、嬉しかったんだニャ」
セブンスターズとしてではなく、オシリス・レッド寮の寮長、錬金術の先生の大徳寺先生として消えた瞬間。
俺の意識は、現実に引き込まれるような感覚に陥った。
――ここは、どこだ?
どうやら、あの赤い空間からデュエルアカデミアに戻されたようだ。
……ここは多分、普段はあまり来たことはないが、ダークネスとデュエルした火山だと当たりをつける。
「……遊矢!?」
日頃よく聞いている親友、三沢大地の声に反応して背後を見ると、
セブンスターズの関係者……友人たちとクロノス教諭、鮫島校長……がずらりと並んでいた。
「遊矢!」
明日香がまたもや悲痛な叫びをあげるので、困ったように頭をかき、どこから説明しようかと思いながらも口を開こうとした時……
『待っていたぞ、黒崎遊矢!』
……と、またも背後から声がかかる。
スピーカーで発した声のようであり、若干くぐもってはいたが。
……まあ、それもそのはず。
俺の名前を呼んだ人物は、巨大な機械に乗っていたのだから。
「……あんたが影丸理事長か?」
大徳寺先生の、齢百年を超えているという言葉を思い出し、探りをかけておく意味での質問だった。
『フッ……全てアムナエルから聞いているようだな……余計なことと言いたいところだが、説明の手間が省けて良いとしよう。そう、私の名は影丸。もう既に、三幻魔は我が手中に収まった』
アムナエル……というのは、高田も出していた名前だ。
セブンスターズとしての、大徳寺先生の名前なの
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