一章 Experimental Results
No.1 新しい家族。
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さがった。
「お姉ちゃんに手を出したら許さないぞ!」
その瞬間、何故かズキュゥゥゥウウン! という音がして、不良たちは悉く倒れていた。
幼いが故に出来た攻撃ではあったが、その破壊力は抜群だった。
これはきりりと整った眉毛に、神秘的な容姿、力強い眼光と、義姉を守ろうとするその姿勢、そして楓が想定していなかった、凪に投与した薬の作用が相乗効果をもたらした結果だった。
その為多用できる物ではなく、早々と復活した不良たちを前に、凪はすぐさまなす術をなくしてしまった。
だがそれは凪にとっての不幸ではなく、不良たちにとっての不幸しかもたらさなかった。
「俺、いけない道に目覚めちゃいそうだわ」
「マジやっべ、今のかっけえええ、守ってもらいてえええええええ!」
「バリッ、バリッ……」
「……なら目覚めてもらおうか」
不良たちの前に鬼が居た。
赤いオーラを立ち上らせながら、怪しげな笑みを浮かべる女子高生が居た。
「お前達には特別サービスをしてやろう」
そう言って胸元から何か薬品の入った瓶を楓はぶん投げた。
それは不良たちの目の前に落ち、たちまち何かわからない煙を発生させる。
ゴホゴホと聞こえてくる声も、段々と少なくなっていき、ついには聞こえなくなってしまった。
そこまで確認した後、凪は唐突に眠くなってしまい、眠りたくないのに眠りに落ちてしまった。
◇◆◇◆
凪は本日3回目の目覚めを体験していた。
そんな凪が起きて周りを見渡すと、何故か不良たちが義姉の実験室から出てきて、そのままハイテンションで家を出て行くのを目撃してしまった。
一体何があったんだろうと首をかしげながら、隠し扉から凪は義姉の実験室へと顔を出す。
勝手に入って怒られないかと少し不安だったが、会わないと話も出来ないので、凪には入るという選択肢しか準備されていなかった。
楓の実験室には手術台や、薬品、ビーカーやフラスコなど、様々な実験に使われると思われる機材や材料が豊富にそろっていた。
もちろんそれを理解するだけの知識を持たない凪は、ただ興味深げに見ること、もしくは義姉である楓を探すことしか出来なかった。
先程自分は情けなくも気絶してしまった後、一体どうなってしまったのか。
幼いなりにも責任感の強い凪は、IFの展開をどうしても考えてしまう。
故に凪は義姉を小さな体で必死に探した。
そしてようやく見つけ出した。
不気味に微笑み、満足げに鼻を鳴らす義姉を。
「あれを投与するとあんな事になるのか、中々に面白い結果だったな」
酷いことになっていないことに安堵しつつ、凪は楓に近づいていく。
そして楓は少しほっとしつつ、しょぼくれながら歩くという器用な真似をし
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