こぶたのまき3
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と言った。けど、誰も返事はしなかった。
その日のこと。相変わらず私に話しかけてくる人はいなかった。というか私の存在を忘れた
かのように。さみしくはなかったけどやっぱり変わらないんだなと思った。
そして1日は過ぎた。
帰りに私は学校に近くの図書館に寄った。3冊の本を借りて帰った。
人の気持ちの本2冊とスイーツの本だ。人の気持ちの本はかなり難しい言葉が並べられていて
小4が読む本ではないとおもった。だか、ここに何かヒントはないかとわからない言葉をどんどん調べ
た。家庭教師さんが来るとちゃんと小3の勉強をした。
この家庭教師さんと家庭教師という形だけでなくプライベートでもお世話になることをお互い
まだ知らなかった。
家庭教師の先生の名前は園田美咲さん。私はその先生を美咲先生と呼んだ。
美咲先生は大学生で、背が高くて髪が長くて明るく優しい先生だ。
美咲先生は私が今日借りた本を見て
「これなに?難しい本読むんだね」
といった。
「今日借りてきたんです」
と私は美咲先生にその本を見せた。それから勉強もしながら話をしてくれた。
自分の過去や妹のことなど。
「だからね、りなちゃんの気持ちもわかるなぁ」
と笑った。
それから時間がたち美咲先生は帰って行った。久々に人と近くで喋った。
だから私は楽しい時間を過ごせた気がするんだ。
それから3か月。時が過ぎるのは早い。あれから学校は休まず行ってるし美咲先生とも「先生」
という感じではなく「おねぇちゃん」というように近く感じた。勉強もどんどん進んだし
分かるようになった。
だけどある日、またやってきた。
朝いつも通り準備をして学校に行っていた。
「ねぇ」
と突然声がかかった。振り向くと同じクラスの子と6年生が数名いた。
「あんたさ、1年間何してたの?ずる休み?」
6年生の一人がそう言って笑った。
「何でもいいけど、あんたお母さんは?」
と聞いてきた。私はびっくりした。今まで聞かれたことないから何と答えたらいいかわからない。
「いないの?」
いないの?私には母屋という存在はない。3歳の時からいない。母親の愛情を知らない。
「かわいそうに。いないんだってー」
とみんなは笑いながら言った。
「何でいないの?」
「あんたが邪魔だったとか?」
って口々に言う。
すると1人の子が驚きの言葉を言った。
「あんたが追い出したんじゃないの?あんたと、あんたの父親が追い出したんでしょ?
暴力をふるったりしてたんでしょ」
と。
私は記憶の中をたどった。違う。みんなが言ってることは違う。全然違う。
記憶をどんどんたどっていくうちに思い出したくない記憶がよみがえった。
私の母は私が生まれ、生まれたはいいが私のことを邪魔になった。だから私が泣いていても
知
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