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ニュルンベルグのマイスタージンガー
第一幕その八
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これまた後ろに撫でつけていて少し上で巻かせてもいる。黒い服は何処か知的であり学者を思わせる。仕草は何処か気取っていて勿体ぶったものを見せている。黒い目がかなりせわしく動いている。
「それでです」
「はい」
 大柄な男がその気取った男に話をしていた。
「ベックメッサーさん、私の誠意を無駄にしないでその取り決めをお役に立てて下さい」
「それはわかっています」
 ベックメッサーと呼ばれたその男はやはり何処か気取った動作で彼の言葉に頷いた。
「ポーグナーさん、それはもう」
「貴方は勝たなければなりません」
 その大柄な男ポーグナーはまたベックメッサーに対して告げた。
「それは是非共」
「しかしです」
 ところがベックメッサーは何かを心配する顔になってポーグナーに対して言うのだった。
「私は恐れています」
「何をですか?」
「エヴァさんが望まれれば求婚者を拒むことができるのですね」
「はい、そうです」
 ポーグナーもそれを認めて頷く。

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