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魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜賢者の槍を持ちし者〜
Chapter27「ホテル・アグスタ」
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ながらも、八神家についてそれなりに詳しく説明したスバル。
「(レアスキル持ちの人は皆そうよね)」
「(ティア、何か気になるの?)」
普段と違うティアナの様子に気付いたスバルが反応する。
「(……別に)」
「(そう、じゃあまた後でね)」
スバルとの念話を切る。念話を終えた後、ティアナは深く何かを考え込んでいるような顔をしていた。
(六課の戦力は、無敵を通り越して明らかに異常だ。八神部隊長がどんな裏技を使ったのか知らないけど、隊長格全員がオーバーS、副隊長でもニアSランク)
通常の部隊とレベルを比べれば天と地の差。一個の部隊としてはティアナの言うとおり、無敵を通り越して異常な戦力だった。
(他の隊員達だって、前線から管制官まで未来のエリート達ばっかり。あの歳でもうBランクを取ってるエリオと、レアで強力な竜召喚士のキャロは、2人供フェイトさんの秘蔵子。危なかっしくはあっても、潜在能力と可能性の塊で、優しい家族のバックアップもあるスバル……)
そこで一度考えを止め、ある人物の事を思い浮かべる。
ある意味六課で1番のイレギュラーである男の事を。
(そして……ルドガーさん)
現在のティアナの実質、銃の師でもあるルドガー。
だが彼女は今でも彼と一線置いて接している。
その理由はやはりルドガーの力と能力だ。
(異世界渡航者でありながらも八神部隊長にその実力を認められ、リミッター付きとはいえ、シグナム副隊長から一本取る程の実力……当然、私達では相手にもならない。更に魔法とは全く異なる『骸殻』という能力を持ったある意味最強の人物……)
しかもルドガーに魔導の素養は全くなく、魔法は使えない。
しかし彼はその高い戦闘能力と魔導サイドからは未知なる力、骸殻能力により、魔導師と同等……それ以上の力を有している。ティアナからしたら、ルドガーこそ彼女が求める力と才能の全てを持っている人間だ。
そして目標の人間であると供に、ライバルでもある。
(射撃も、戦術も、身体能力のどれもルドガーさんと比べたら私は足元にも及ばない……結局、うちの部隊で凡人は私だけだ……)
同じ2丁拳銃を扱うルドガーに銃を教わっているからか、ティアナは今までにない深い劣等感と、より一層力を欲するようになった。ティアナの目には、ルドガーはどんな事でも出来る超人に見えていた。
(だけど、そんなの関係ない!私は……立ち止まる訳にはいかないんだ!)
目を閉じ、ルドガーに対して抱いた劣等感を振り払う。
自分の力を証明する……ティアナは意思を固める。
だがティアナは何も分かっていなかった。
ルドガーは決して最初から強い人間ではなかっことを……力は、ただ力でしかないということを。
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