魔法先生ネギま!
0370話
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……エヴァも漫画とか読むんだな。
そんな風に考えながら感じた気配の主が姿を現すのを待っていると、通路の先からガシャ、ガシャ、という音がしてこちらへと近付いてくる。
同時に、壁へと直接埋め込まれている明かりがその存在を照らし出す。
それは、一言で言えば鎧だった。それも中世に騎士が使っていたような鎧。
その鎧が3つ程ガシャガシャと足音を立てながらこちらへと近付いてくる。
「茶々丸、一応俺の勘だとあれは生き物じゃないと思うんだが……」
「はい。あの鎧に生体反応はありません」
生体反応の無い鎧。即ち……
「リビングアーマーか」
リビングアーマー。つまりは生きた鎧。国民的RPGに詳しい奴なら『さまよう鎧』と言えばピンとくる奴も多いだろう。
「けど、この手の奴は自然発生はしないんじゃなかったか?」
エヴァの書斎で得た俺の知識によると、鎧を用意して何らかの儀式を施す事でリビングアーマーとして存在を確立させる筈だ。
日本でいう付喪神の例もあるが、それにしたって3体同時発生するなんて事はないだろう。
「ここは魔法世界ですので、自然発生する可能性も無いとは言えません」
「さすがファンタジー」
苦笑を浮かべつつも、折角用意したサブマシンガンと手榴弾を空間倉庫の中へと戻す。リビングアーマーのような無機物が相手だと効果が微妙だからな。
「茶々丸、ここは俺がやる。魔法世界の相手がどんなのか実際に戦ってみたい」
「その、大丈夫でしょうか? 私も援護をした方がいいのでは」
前々から薄々思ってたが、茶々丸はどこか俺に過保護な所があるよな。
まぁ、悪い気分はしないからいいんだが。
「危なくなったら援護してくれ」
「……気をつけて下さいね」
茶々丸に頷き、魔力発動体の腕輪に意識を集中する。
『戦いの歌』
身体強化魔法を使い、瞬動。そのまま先頭に立っているリビングアーマーの懐へと踏み込み、胴体へと思い切り一撃を叩き込む!
ズンッ! という鈍い音を立てながら、胴体を貫通する俺の右手。同時に胴体を貫かれたリビングアーマーも致命的なダメージを受けたのか、腕、脚、頭といった部分の鎧がバラバラになり地面へと落下する。
それに構わずに貫通した胴体から腕を抜き、後ろへと回り込もうとしている2体目のリビングアーマーの足を刈って転ばせる。その胴体へとトドメの一撃として足で思い切り踏みつぶし、最後の1体が振り下ろした剣を地面に転がっていたリビングアーマーの兜を盾代わりにして受け止め、1体目と同様に胴体を貫く。
所要時間5秒弱。それが俺がリビングアーマー3体を倒すのに要した時間だった。
「脆いな」
その呟きに、安堵の息を吐きながらも茶々丸が口を開く。
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