第九十三話
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達を操っているとは思えない。
「チャンピオン、一端此処は引くわ。私達を連れて逃げてっ」
「しょうがないか。しっかり掴ってなさいね」
チャンピオンは私達の所まで寄ると、片手で私達を引っつかみ、背中に翅を生やしてビルの隙間を縫うように飛翔して人気の無いところを目指す。
「わっわわっ!ちょっとっ!わたし今空を飛んでいるっ!?」
空を自在に飛行する魔術は現代では殆ど不可能だ。おとぎ話に出てくる魔女は現代では存在しない。そんな常識を打ち破る現象に彼女は興奮して先ほどの恐怖すら忘れているようだった。
まぁ私も同じ魔術師だから分からなくも無い。
人気の無い夜の公園を見つけ、着地する。
咄嗟の事で私達の掴りがあまくずり落ちそうになったからだ。
しかし、再度空へと舞い上がる事は出来なかった。なぜなら目の前に黒い甲冑に身を包んだ騎士が現れたから。
理性を感じさせないその雰囲気からみてあれはバーサーカーのサーヴァントだろう。
私達と言う荷物がなければチャンピオンなら軽々と逃げられるのだろうが、私達という足手まといの所為で出来そうに無い。
「これは厄介な相手が出てきたものね…」
そう言いつつも私達を守る位置でいつの間にか現れた斧を構えるチャンピオン。
『ロードカートリッジ』
ガシュッと薬きょうが排出され、魔力がチャージされる。
一体どういう理屈なのか、彼女たちチャンピオンは銃弾の弾のようなものに魔力を蓄積、解放する事が出来るらしい。
私が宝石に魔力を蓄積させているような物だろうが、彼女達のソレを見ると凄く戦闘向きな能力だ。なぜなら自身より大きな魔力をストックして操る事が出来るのだからサーヴァントには持って来いだろう。
いや、違うか。おそらくあの能力は生前から有った物だろうけれど、それでも彼女達本来の魔力量はおそらく現代魔術師とは一線を隔す量だったに違いない。なぜなら彼女達が私から見ればあれほど大量の魔力を補給しても大した技を使えないのだから。
『ハーケンフォーム』
それにあの武器も中々にナゾだ。宝具ではないそうだが、意思を持ち、さまざまな援護を持ち主にもたらしている。
チャンピオンの斧が形を変え、魔力で出来た刃が出てきて大鎌の形へと変化した。
バーサーカーは鉄棒をその怪力で引きちぎると、それが侵食されるように葉脈のようなものが取り付きその鉄棒が黒く染まった。
それが武器だと言わんばかりにバーサーカーは構えると、一気に地面を蹴った。
「■■■■■■■■■■■−−−−−−っ」
「はっ!」
駆け出したバーサーカーをチャンピオンも迎え撃つ。
鉄棒は鉄棒とは思えない強度を備え、チャンピオンが振るう大鎌と打ち合っても引けを取らない。
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