第九十三話
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問自答する雁夜おじさんに背を向け、私は公園を出る。
霊体化したチャンピオンが付いてきて、最後には訳の分からない事を呟く雁夜おじさんだけが残された。
過去に来て、知りたくない事実を知ってしまった。
知ってしまったのならば私はどうするのだろう…
そう自問自答しながら私は衛宮邸へと帰路に着いた。
◇
「何っ!?八騎目のサーヴァントだと?」
その男は地下室のような所で時代遅れの蓄音機のような物から流れてくるそれに返事をしていた。
その部屋には男の他には人はおらず、会話の相手は何処か遠く離れたところに居ると言う事だろう。どうやらそれは魔術で動く電話のような物では無いだろうか。
『はい。バーサーカーのマスターに付けていたアサシンからの報告ではバーサーカーと互角の技量で打ち合い、最後は大型魔術による砲撃で仕留めようとしたようです。どうやらバーサーカーは直撃の瞬間に実体化を解いていたようですが…』
「クラスは名乗ってなかったのかね?」
『チャンピオン…と』
「チャンピオン?イレギュラークラスか…いや、問題はそこでは無い。八騎目だとしてもそこにサーヴァントとマスターが居るのなら彼らは聖杯を手にする権利が発生したと言う事になる」
『然り。どうしますかね、時臣くん』
先ほどの声とは違う男の声が蓄音機から流れる。
「他に何か情報は無いのか?」
それに対して今度は若い男の声で答が返ってきた。
『今回の聖杯戦争で呼ばれたサーヴァントでは無いような事を言っていました。それとそのマスターも聖杯を望んでいないような口ぶりでした』
「そんな物が信じられるものか。実際聖杯戦争の開始されているこの冬木にサーヴァントを引き連れてやって来ているのだぞ?大体今回呼ばれたサーヴァントでは無いなどと…いや、まさか…言峰さん、貴方は前回の聖杯戦争も監督された。前回の呼び出されてサーヴァントでチャンピオンなどと言うサーヴァントはおられましたか?」
『いや、居なかったと記憶している』
『どういう事ですか、師よ』
「いや、今回ではないのなら前回か前前回から現界を保っているサーヴァントなら確かに居てもおかしくは無いと思ったのだが…いや、忘れてくれ。そもそもサーヴァントの維持には莫大な魔力が必要だ。それを60年いやそれ以上維持するのは難しい」
実質的に不可能だろうと時臣と言われた男性は言っている。
「それで、言峰さん。教会としてはそのイレギュラーサーヴァントをどうするので?」
『そうだな。今回の事は他のマスターに通達した方が良いだろう。キャスター討伐と同様に追加令呪を与える事で早期の排除をと思っておりますが…いかがでしょうか』
「それも已む無しでしょう。外来の魔術師は愚か
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