彼女の決着がつきました
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第十一層タフトの転移門広場中央。キリトと向かい合い、初撃決着モードでデュエルが承認された。
六十秒のカウントダウンが開始される。
「もう一度確認するぞ。俺が勝ったらサチを血盟騎士団に入れない。そして今日は手を引いてもらう」
「ええ。かまわないわ。わたしが勝ったらサチの所まで案内して、血盟騎士団で保護します」
カウントゼロ。
初手はお互い突撃して中央で剣閃を散らす。弾かれた勢いを利用してキリトが横薙ぎのソードスキルを発動させた。
キリトのソードスキルをパーリングで往なし連続突きパラレル・スティングで返す。ギリギリで避けられた。
――――判ってたけど早い。でも追い付けない速度じゃない。わたしの方がまだ早いッ!
暫くソードスキルを裁きながら応戦する。だけどキリトが縦振りのソードスキルを見せ始めてから状況が不利になった。
――――バーチカル・アークじゃない!? もう新しい派生スキルに辿り着いたの!?
キリトが縦に振り下ろすソードスキルが次々と剣閃を変えていく。まずい――――三種類以上のバリエーションがある!?
じわじわとわたしのHPゲージだけが削られていく。横薙ぎのソードスキルなら全部覚えてるのに。全部止められるのに。
一度離れて距離を取る。目に焼き付けた新しいソードスキルを何度も頭の中で繰り返してパーリングのイメージをする。
「もう休憩か?」
「――――――うるさいッ! サチは必ず連れて行くッ! サチは戦いなんてしたくない! 前衛なんて立ちたくないのよッ!
それを無理やり盾を持たせて前に出すなんて、あなたが居ながら何をやってるのッ!? わたしよりもレベル高いくせにッ!
このままサチを前衛に置く必要があるの!? あなたが前に出れば良いじゃないッ! 一体何の意味があるって言うのよ!?」
「…………――――意味はある。いや、意味はあった。サチには悪いけど、今日が終われば黒猫団はまた一歩前に進める」
「ふざけるなッ!! もうサチがあなた達のギルドに居る理由なんて無いッ!!」
もっと――――もっと体制を低くして爪先に力を入れろ。懐に潜り続ければ絶対に隙が出来る。その瞬間さえ狙えればッ!!
踏み込む。足が交差する程、キリトの足を踏み潰すつもりで踏み込んでるのに――――全部ギリギリで避けられていく。
当たらない。当たらない。何で? 向こうの攻撃は届くのに――――何でわたしだけ――――!?
踏み込むもっと早く。踏み込むもっと強く。強力な一撃を入れるだけで勝てるんだから、お願い届いてよッ!!
キリトの脇腹を狙って突きを入れる。またギリギリで避けられた。
――――そう思った瞬間。一瞬でキリトがわたしの後ろに回り込んだ。
嘘? 懐に踏み込んだのに、
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