彼が行動を開始しました
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なきゃならないのよッ!?」
リズが両手で机を叩き、キリトに食って掛かる。
「リズ。ちょっと待って――――――――理由は聞かせて貰えるんでしょうね?」
出来るだけ冷静に、まだ。まだ押えなさい。
「あぁ、理由は月夜の黒猫団は今大事な時期にある。もう少しでギルドホームを手に入れて攻略にも力を入れられる。
サチの片手剣への転向が上手く行ってなかった原因は俺にもある。それでギルド内の雰囲気が悪かったのも事実だ。
けど、サチが居なくなった事で月夜の黒猫団は今、一つになろうとしている。今までに無かった自主性も見せた。
サチが戻って来たら、きっと今よりも、みんなと助け合って行ける。もっと前に進めるかもしれない。
だから、だからこそ――――――サチを月夜の黒猫団から引き抜かれる訳には行かない。手を引いてくれ」
「あんたはッ!! サチがどんな気持ちで黒猫団に残ってるか解ってて言ってるのッ!?」
「………………解っているつもりだ。全部とは言わないけど……同じギルドメンバーとしていつも傍に居た。
だけど、俺は黒猫団と――――サチやケイタ達と一緒に居たい。少しの間だけで良い、サチとは会わないでくれ」
これ以上は時間の無駄ね。
「リズ。もう良いよ…………こんな所で時間を潰すよりも早くサチを探しに行きましょう――――アルゴさん?」
「すまんナ。アーちゃん。急な仕事で一緒に行けなくなっタ」
アルゴさんがチラッとキリトを見た…………そう言う事。
「――――いったいいくら積んだの?」
「三十万コルだナ」
「はぁ!? あんたどんだけ金使ってんのよ!? 転移結晶六個分ッ!?」
「どう言う心算かしら? サチを探すにしても人手は多い方が良い筈よ? 何故わたし達の邪魔をするの?」
「俺とアルゴには追跡スキルがある。サチの足跡を辿れば直ぐにでも見つかるさ」
「…………そう、第十層でアルゴさんが使ってたあのスキル――――だからこんな所で無駄話する余裕があったのね」
「じゃあ、何で言わなかったの? あんたの――――月夜の黒猫団は迷宮区まで行ったんでしょ?」
「彼等のレベルなら第十一層の迷宮区ぐらいソロでも大丈夫だよ」
「……あんたねぇ、いつまでレベルを黙ってるつもりなの? いつか手痛いしっぺ返しを食らうわよ?」
「このままじゃ駄目なのは解ってる。でもそれは今じゃない」
「――――もう良いわ。茶番は此処までよ。キリト君。わたしとデュエルをしましょう。
わたしが勝ったら、今すぐサチの所まで案内して、サチはわたし達血盟騎士団で引き取ります。
あなたが勝ったら、わたし達は手を引くわ」
「血盟騎士団副団長様のお言葉だ、二言は無いよな?」
「もちろんよ」
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