暁 〜小説投稿サイト〜
【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第三八幕 「サルース・ルーメン」
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か。
人が本当に夢を諦めるときとは、自ら夢を捨てる時だ、と。
夢を持ち続ければ、たとえ皆より遅くても夢に向かって歩んでいける、と。

私はその考えをを口にしようと改めて天使さんの方を見た。

「・・・あれ?いなくなっちゃった」

私が自分で答えに至ったから、用が済んでどこかに行っちゃったのかな?綺麗だったからもう少し見ていたかったんだけど。

「・・・ってナチュラルに天使さんだと思ってたけど冷静に考えたらそんなわけないじゃん!!」

アホか私は!とセルフツッコみ。良く考えたら天使の象徴たる羽もなかったし何より非現実的である。
しかし、それではあの“少女”は一体誰だったのだろうか?
学園の制服を着ていなかったことと時間帯を考えれば、この学園の生徒ではないだろう。先生方か職員の誰かのお子さん・・・若しくはが言うからの見学者?それもこんな所を一人で歩いていた理由が分からない。

「でも・・・可能性を捨てなければ終わりじゃない、か。なんか励まされちゃったかな?」

えへへ、と笑ってしまう。先ほどまであれほど追い詰められていたのが嘘のように、あの少女の言葉はすんなりと胸の中へと染み込んだ。
あの少女が誰だったのか、何を思ってそう言ったのか、それは私には分からない。でも・・・その言葉は私の夢への道が閉ざされていないことを認識するには十分だった。

「・・・よし!」

私はまだやれる。まだまだ頑張れる。佐藤さんの事で自分にまだ努力できる余地があることも分かったし、周囲においていかれても焦る必要はないんだって思えるようになってきた。

まさに心機一転、伍和は夢への渇望と情熱を完全に取り戻した。



 = = =



翌日、彼女はやはりあの謎の少女の存在が気になり、受付へと足を運んだ。もし叶うならば、一言お礼を言いたいと思ったからだ。だが、受付の人から帰って来た返答に私は唖然とした。

「昨日は見学者なんて一人もいませんでしたよ?」
「そ、そんなはずは・・・銀髪で白いワンピースを着た、色白で小柄な女の子です!私確かに見ましたよ!?」
「そんなことを言っても・・・そもそも小柄で銀髪という条件に該当するのは先日転入してきたラウラさんくらいしかいません。その子、眼帯つけてました?」
「いいえ、つけてませんでしたけど・・・」

私は激しく混乱した。IS学園は子供が勝手に侵入できるほど警備の甘い場所ではない。そしてあの少女はラウラさんとは髪形も顔つきも一致しなかった。では、あの少女は一体誰だったのだろう?

(まさか・・・本物の、天使・・・!?)

この謎の真相が分かるのは、それから随分先の事となるのであった。





おまけ


「あれ?ベル君・・・なんでワンピース着てるの
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