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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第三七幕 「みんな必死に生きている」
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、1回くらいは逃げて許される。それで一度母校に帰って先生に「期待に添えませんでした」と頭を下げて、夢を託された友達に「やっぱり無理だった」と笑って告げよう。そして家に帰ってご飯を食べて、たくさん寝たらこれからの事を考えよう。
「大丈夫だよ。何せIS学園の入試に一度は受かったんだから、もうどんな進学校でも怖くない!それで・・・それでどっかの企業にでも就職して普通に働こう・・・大丈夫、もともと素質がなかったんだから・・・今更諦めたって・・・痛くも、痒く、も・・・・・・」
ぽたり、と足元に滴が落ちる。はて、今日の降水確率は0%だったはず・・・そうう首をかしげる。だがその考えに反して一つ、また一つと滴は足元を濡らしていく。やがて、それが私の瞳から零れ落ちていることに気付いた私は、自嘲気味に笑った。
「・・・何してんの、私。今更、こんな事で泣いたって・・・ない、泣いたっ・・・て・・・ッぐ」
一度自覚してしまうと、もう止める事は出来ない。震える体も胸を締め付ける後悔の鎖も、すべてが私に泣けという。喉元を締め付けられるような苦しさに耐え切れず、嗚咽を漏らす。必死に泣くまいと抑えるが、もう喉の痙攣は止められない。
「うぅ・・・ふぐっ・・・ひっぐ、うあぁぁ・・・」
いやだ!いやだいやだいやだいやだいやだ!!
せっかくあんなに辛い努力を重ねて、皆の応援を受けて、現実に負けじと歯を食いしばった結果がこれだなんて嫌だ!!こんなに早く夢を諦めたくなんてない!!自分に才能がないなんて認めたくない!!
「いやだぁ・・・こんなのいやだぁ・・・!私だって、私だって佐藤さんや・・・ひっぐ!候補生の人達みたいに・・・なり、たいぃぃぃ・・・うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
体面も忘れ、駄々をこねる子供のように喚き散らす。結局のところ自分にどれだけ言い訳しても、考えていたのはそれしかなかった。せっかく夢の入り口まで足を踏み入れたのに、どうしてそれを好き好んで出て行きたい人間がいるだろう。何所に悔しがらない人間がいるだろうか。
伍和はもう精神的な限界を迎えていた。膝を突きながら廊下の手すりに縋って泣き喚く彼女は、もう努力を続けるだけの覚悟はなかった。
だが、信じる者は救われるという言葉がある様に、彼女を救う者も存在する。
それが、泣き崩れた彼女の前に現れた―――
「・・・・・・」
「だ、だれ?!」
――― 一人の“少女”だった。
光に融けて消えてしまいそうな錯覚を覚える白い肌。胸元に晴れ渡った空のように青いリボンのついた、ふわりとした柔らかい白のワンピース。アッシュブロンドの髪にアクセントをつける橙色の蝶の髪飾り。窓から差し込む逆光と重なったその姿は余りにも儚く、幻想的で。
「・・・・・・天、使・・・
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