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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第三七幕 「みんな必死に生きている」
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に広がり、校長先生が緊急集会を開いてまでお祝いの言葉を贈ってくれた時には「私は夢を見ているんじゃないか」とさえ思った。話したこともない同級生や不良さえも「おめでとう」と祝いの言葉を贈ってくれた。
反面、私と一緒にIS学園を受験した他の生徒達は皆不合格だった。悔し涙で目元を赤く腫らし、それでも無理に笑顔を作りながら「私の分もがんばって」と言われ、「絶対大物になる」と出来るかも分からない曖昧な約束をした。
夢を追う私を応援してくれた両親に先生や先輩、同級生たちとの出会いがあって、今私は此処にいる。
でも。そんな夢のような時間も、いつかは醒める。そのいつかが、今なのだろう。
授業に後れを取っている。そう感じ始めたのは5月に入ろうかという時期だった。IS学園は3年間に基礎教育科目とIS関連知識の両方を叩き込むために、授業内容が結構過密になっている。その授業をこなし、休憩時間に復習をする。今までの様に足りない才能を努力で埋めるための行動。それが、少しずつ間に合わなくなっていた。同級生たちが談笑している自由時間に加えて放課後から深夜にかけてまでノートや参考書と向き合っているのにである。
私は大いに戸惑い、そしてあることに思い至った。それは捉え方によっては唯の逃避とも取れる考え。
―――頭の出来の違いだ。私が2日かけて覚える内容を、皆は1日で覚えている。
気のせいだと思いたかった。だがそんな私を嘲笑うかのように、日に日に授業についていけなくなっていく。クラス内でも頭がいいシャルロットさんに恥を忍んで分からなかった所を教えてもらったりもしたが、それもその場しのぎにしかならなかった。確かにシャルロットさんは丁寧かつ分かりやすく教えてくれたが、彼女も暇ではない。毎日教えてくれるわけではないのだ。
そうこうして焦っているうちに、今まで出来ていた努力もだんだん遅くなっていった。その分を取り戻そうとさらに努力しようとし、睡眠時間を削ったせいでさらに効率が落ちる。悪循環だった。次第に私は自分に言い訳するようになった。自分は他の人ほど優秀じゃないんだから少しくらい遅れていてもしょうがない、と。それからは勉強に手を付ける時間が少しずつ減っていった。代わりに訓練機のISを借りて自主練習をするようになった。我ながら浅はかだが、勉強で駄目なら実技で点を稼ごうという発想だ。
アリーナでの自主練習は上手くいかないことも多かったが、基本動作程度なら少しずつ扱えるようになっていった。そんな中、私はある人物を見かける。
佐藤稔。
入学後に知ることが出来た入学試験成績の総合第4位にしてIS適性”S”の才女。
IS学園は基本的に1学年が1クラス30名×8組の計240人、実際には転入生などもあるのでそれより少し多い程度の人数となる。全国からIS乗りに憧
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