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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第三六幕 「遙か遠い過去からの」
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ある。というかそもそもラウラが15歳で少佐という時点で限りなくアウト。万が一この辺りの事情が周囲に洩れればリアル国際問題発展の危険性があるレベルの発言だった。
IS委員会が幅を利かせている今でも国際連合は一応機能している。ドイツ軍人にして国を代表すると言ってもいい存在である彼女の発言がうっかり正式に議会で上がれば・・・さしもの委員会も隠蔽は不可能となる。

「待ってくれ、もっと喋らせてくれ!実はだな、そこでは遺伝子を弄ってより強い人間を作る実験が・・・」
「もっとアウトだよ!!え?何?君ひょっとして母国を貶めようとしてるの!?」

まさかの事態悪化に突き進もうとするラウラに流石のジョウもちょっと焦る。ユウ以外で彼を焦らせるなど並大抵の人間では不可能だろう。実際ラウラはとんでもなかった。主に発言が。

「ドイツ軍が混乱すれば恐らく私はスケープゴートとして責任を押し付けられ軍籍を剥奪される!合法的にフリーになれば立場を気にせず存分に父に甘えられるのだ!」
「思いっきり肯定してるよこの子ーーー!?!?」
「愛国心は投げ捨てるもの!」
「まぁそういうの、嫌いじゃありませんわ。私も母国に誇りは持ってませんし」
「いや煽っちゃダメでしょセッシー!?」
「らぶあんどぴーすだよセッシ〜」
「せ、セッシーって何ですの?」

最終的には休み時間が残り少なくなったことで自然に解散する流れになり、藪の蛇は何とか元の場所に押し返すことが出来た。結局ラウラの父の正体は分からなかった。
・・・が、それがその日のうちに正体が判明することとなるとは、その時は誰も思っていなかったのである。

まぁ佐藤さんは薄々感づいているし、一夏やユウは「千冬は多分知ってるだろう」と答えを得られる人物に心当たりがあったのだが。



 = = =



その日の午後、リハビリによる疲労を心配された先生により早退扱い(しかも保険医曰くいつの間にか脱水症状を起こしていたらしい。次からは横に飲み物を置こう)とされたベルーナの下にイタリア政府から届け物があった。
それはベルーナがISに乗る覚悟をしたことを知った政府が、あらかじめ用意していたそれを渡しただけの事。

イタリアの主流ISは『テンペスタシリーズ』であることは知らされていたから、ベルーナはてっきり同系統のISが来るのかと思っていた。だがISと共に渡された機体データによると、実際には全く違う設計思想で作られた試作ISらしい。

待機形態では蝶形の髪留めであるそのISの名は、「モナルカ」。第3世代兵器のテストベッド機であり、機動力が低い代わりに防御性能は非常に高いそうだ。正に身を守るにはもってこいかもしれない、とベルーナは思った。

モナルカはイタリア語で“君主”という意味であると同時に、“モナ
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