暁 〜小説投稿サイト〜
【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第三五幕 「父を訪ねて約5600マイル」
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ィッヒ、次はこのエビの味を見てくれないか?」
「どれ・・・美味い!流石は美食の国というべきか、篠ノ之の料理はどれもおいしいな!」
「そ、それは良かった。・・・あと、出来れば箒と呼んでくれ」

互いに弁当のおかずを交換したり分け合ったりしながら続いたこのミニパーティは、今まで話したことの無いメンバー達の交流の場ともなっていた。用意された弁当はどれも甲乙つけがたい出来栄えで、どの弁当箱もどのタッパーも10分後にはすべて空となっていた。
食べるものが無くなってしまえば、あとは残った時間でおしゃべりに興じる流れになり、そしてその話題の内容は、少しずつ転入生であるラウラへと移っていった。
そもそも彼女は正に今日来たばかりなのだから、皆多かれ少なかれ彼女の事が気になっている。元々名目上は彼女の歓迎会も兼ねているのだからと質問タイムがスタートした。
最初に質問をしたのはシャルロット。

「ラウラさんはどうしてこんな時期に日本に来たの?」
「それは・・・父に会うためだ。長く顔を合わせていないからな・・・」
「ラウラさんのお父さん?日本にいるの?」
「うむ。本当はもっと早く来たかったのだが・・・私の部隊はISについて独自の教習や訓練を受けていてな。学園に行く必要なしと上層部から許可が下りなかったのだ。今回は新型の実働テストと男子操縦者とのコネ作りの命令の元、特別に許可が下りた」

さらっとドイツ軍部の浅ましい部分が垣間見える命令が混じっていることにメンバーの顔が引き攣る。堂々とばらしている辺り、実は実行する気がないんじゃなかろうか?唯一自慢の鈍感力で“コネ作り”の部分をスルーした一夏が興味深げにラウラに次の質問を飛ばす。

「なぁ、ラウラのお父さんってどんな人なんだ?」
「訊きたいか!」
「うおっ!?は、はい!」

ずいっ!と一夏に顔を近づけるラウラの姿に、セシリアは何となくつららと同じオーラを感じて嫌な予感がした。
慌てて返事を返す一夏に満足したラウラは、それはそれは自慢げに父親の話を始めた。

「そうかそうか!ならば話さない訳にはいかんな!父はなぁ・・・凄い人なんだぞ!?」
「ほう、凄いのか」
「そうだ!施設で育ち、何も知らなかった私達に・・・父は全てを与えてくれた!あの人がいたから黒兎隊があるのだ!あの人がいたから、私達は胸を張って生きていける!」

それはもう見ているこっちが眩しくなるほどの笑顔で語りだしたラウラだが、しょっぱなから「施設」「私達」という非常に気になるワードが飛び出している。突っ込みたくて仕方がないが、突っ込んだら藪蛇の様な気がするので誰も突っ込まない。万が一くらい話とかが飛び出たらその空気を収拾できる自信がないし。まぁ口ぶりからして親代わりみたいな人なのではないかとシャルは予測する。

(『施
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