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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第三四幕 「模擬戦は遊びじゃない」
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ちなみにジョウのISが現在出力50%オフで量産機の打鉄と大差ない出力である事を知ったら、多分二人は泣くんじゃなかろうか。正に知らぬが仏である。

「・・・とまぁこんな風に残間兄は教師と遜色ない技量を持っているから実技でも手伝ってもらうことになった。また、山田先生もかつて日本代表候補生だったという経歴がある実力者だ。これからはそれなりに敬意を払う様に」

何となく投げやりに説明する千冬の後ろでは、ようやく生徒にいいところを見せられた山田先生がきゃっきゃとはしゃいでいる。

「やった!やりました!見てましたかジョウ君!?」
「見事な射撃だったよ、先生。しかもグレネードは俺が鈴を吹き飛ばしたのを見てから狙ってやったんでしょ?大したものですよ、ホントに」
「えへへ・・・」

いえーい、とハイタッチする二人だがISを纏ったままなのでガキャーンという耳障りな金属音しか鳴っていない。

「・・・敬意を払う様に」
「あ、あはは・・・」

山田先生が強いのは分かったが、結局山田先生の既存イメージは全然払拭できていない(というか本人がぶち壊している)と思う生徒一同だった。
その後は先生、専用機持ち、補助生の計10人で手分けして教導を行った。箒お姫様抱っこ事件は起こらなかったが代わりに山田先生がイタズラでISを纏った生徒にお姫様抱っこされる事件があった。
がんばれ、山田真耶。負けるな、山田真耶。明日はきっと、いいことあるさ。



 = =



「・・・っ!・・・けほっ、はぁ、はぁ・・・」

自分を除いて誰もいない室内に響く荒い吐息。呼吸を整え、再び正面のモニターを見据える。
モニターに映っているのは自分の同級生たちがISの操縦訓練をしている様。誰もかれもが失敗したり戸惑いながらもISを操り、充実した時間を過ごしている。それだけだ。それだけの筈なのに・・・それを見ることが、どうしようもなくベルーナには辛かった。だが、逃げてはいけないという鋼の意志が彼をこの場につなぎ止める。

「はぁ・・・はぁ・・・うっ・・・ッ・・・はぁ・・・」

こみ上げる嫌悪感を無理やり飲み込んで、ただその光景を直視する。それはトラウマを克服するための行動(リハビリ)だ。
心的外傷を克服するためには、トラウマとなった出来事を詳細に思いだし、その出来事が自分にもたらしたことを詳細に自覚することが必要らしい。自らの心に刻まれた傷がもたらす感情を正しく理解し、理解した感情を反芻することによってあふれる感情に“慣れる”。それはつまり、自分の引き起こした“あの事件”を受け入れるという事を意味する。

「・・・!!けほっ、けほっ・・・けふっ・・・!!」

再び喉にこみ上げてきた嫌悪感を抑え込む。乱れた息を正し、またモニターと向かい合う。彼自身は気
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