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SAO─戦士達の物語
キャリバー編
百二十九話 おんぶとだっこ
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戦闘が終わってから少しして、トールが消えた広間は、ガランとしたものだった。
去り際に、トールは援護してくれた礼にときっちり報酬を置いて行ってくれた。
《雷鎚ミョルニル》文字通り伝説級(レジェンダリィ)の、バトルメイスだ。
スリュムからも大量のドロップアイテムが表れて消えたので、まぁここにくるまでに随分とお宝を手に入れたと言えよう。

「……ふー……」
さて、そんなこんなで消えたアイテム群を眺めてから、キリトは小さく息を付いて、クラインに歩み寄った。

「よっ。伝説級武器ゲット、おめでとう」
「だな。滅多にでねぇんだ。大事にしろよ?」
「……おれ、ハンマー系のスキルビタイチ上げてねェし」
軽く泣き笑いしたような顔で言ったクラインに、リョウとキリトはなるたけ明るい微笑みで返す。

「んじゃあ、リズに上げれば喜ぶぞきっと」
「いやいや、けどアイツ溶かしてインゴットにすっかもしんねぇぞ?」
「ちょっと!いくらアタシでもそんな勿体ない事しないっての!!」
リョウの苦笑交じりの呟きりリズが反論したが、不意にその隣でヒョウセツが真顔で言った。

「しかし……レジェンダリィウェポンは溶かすと大量の最上級(オリハルコン)インゴットになると聞いた事が有ります」
「あ、それ私も聞いた事有る」
「え?それホント?」
「揺れてんじゃねぇか」
マジ顔で反応したリズにリョウが苦笑する横で、クラインがそれをしっかと抱きしめながら喚いた。

「あ、あのなァ!まだやるなんて言ってねェぞ!!」
そんな声に、全員が朗らかに笑う……と、その時だった。

ズ、ンッ!!

と重々しい音を立てて、地面が揺れた。

「っ!?」
「なっ……!」
即座にその揺れは大きくなり……一気に部屋全体が揺れる。

「きゃぁぁぁぁっ!!?」
「な、何!?何々!!?」
シリカが悲鳴を上げ、アイリがパニクったような、何処か楽しんでいるような声で周囲を見回す横で、シノンが尻尾をS字に曲げながら言った。

「動いてる……いえ、浮いてる……!?」
「そうみたいね……まだ終わりじゃないってわけ……!」
アウィンのそんな一言でリョウとキリトは気が付いた。そうだ。ウルズはこう言ったのだ。「城に忍び込んで、エクスキャリバーを台座から引き抜け」と。「スリュムを倒してくれ」と言ったのではない以上、つまりクエストはまだ続いて居ると言う事で……

「スグ!メダリオンは!?」
「さ、最後の光が点滅してる!!」
「ユイッ!どっちだ!?」
「玉座の後ろに新たに通路が生成されています!おじさん!」
「「ッ!!」」
キリトとリョウが其々に聞いて其々の答えを聞く。内容を理解するや否や二人は返事も返さずに走り出し、メンバーがそれに続いた。
軽く家レベルの大きさが有る
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