キャリバー編
百二十九話 おんぶとだっこ
[1/10]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
戦闘が終わってから少しして、トールが消えた広間は、ガランとしたものだった。
去り際に、トールは援護してくれた礼にときっちり報酬を置いて行ってくれた。
《雷鎚ミョルニル》文字通り伝説級の、バトルメイスだ。
スリュムからも大量のドロップアイテムが表れて消えたので、まぁここにくるまでに随分とお宝を手に入れたと言えよう。
「……ふー……」
さて、そんなこんなで消えたアイテム群を眺めてから、キリトは小さく息を付いて、クラインに歩み寄った。
「よっ。伝説級武器ゲット、おめでとう」
「だな。滅多にでねぇんだ。大事にしろよ?」
「……おれ、ハンマー系のスキルビタイチ上げてねェし」
軽く泣き笑いしたような顔で言ったクラインに、リョウとキリトはなるたけ明るい微笑みで返す。
「んじゃあ、リズに上げれば喜ぶぞきっと」
「いやいや、けどアイツ溶かしてインゴットにすっかもしんねぇぞ?」
「ちょっと!いくらアタシでもそんな勿体ない事しないっての!!」
リョウの苦笑交じりの呟きりリズが反論したが、不意にその隣でヒョウセツが真顔で言った。
「しかし……レジェンダリィウェポンは溶かすと大量の最上級インゴットになると聞いた事が有ります」
「あ、それ私も聞いた事有る」
「え?それホント?」
「揺れてんじゃねぇか」
マジ顔で反応したリズにリョウが苦笑する横で、クラインがそれをしっかと抱きしめながら喚いた。
「あ、あのなァ!まだやるなんて言ってねェぞ!!」
そんな声に、全員が朗らかに笑う……と、その時だった。
ズ、ンッ!!
と重々しい音を立てて、地面が揺れた。
「っ!?」
「なっ……!」
即座にその揺れは大きくなり……一気に部屋全体が揺れる。
「きゃぁぁぁぁっ!!?」
「な、何!?何々!!?」
シリカが悲鳴を上げ、アイリがパニクったような、何処か楽しんでいるような声で周囲を見回す横で、シノンが尻尾をS字に曲げながら言った。
「動いてる……いえ、浮いてる……!?」
「そうみたいね……まだ終わりじゃないってわけ……!」
アウィンのそんな一言でリョウとキリトは気が付いた。そうだ。ウルズはこう言ったのだ。「城に忍び込んで、エクスキャリバーを台座から引き抜け」と。「スリュムを倒してくれ」と言ったのではない以上、つまりクエストはまだ続いて居ると言う事で……
「スグ!メダリオンは!?」
「さ、最後の光が点滅してる!!」
「ユイッ!どっちだ!?」
「玉座の後ろに新たに通路が生成されています!おじさん!」
「「ッ!!」」
キリトとリョウが其々に聞いて其々の答えを聞く。内容を理解するや否や二人は返事も返さずに走り出し、メンバーがそれに続いた。
軽く家レベルの大きさが有る
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ