第4話 「お願い、アンネローゼさん」
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に怒っておられました。アンネローゼ様をむりやり奪っておきながら、また別の女性を毒牙に掛けようとする、皇太子殿下に対する怒りです。
そしてなんとか工夫して、皇太子の間に忍び込んだものの、あまりの人の多さに目が回りそうになり、私は恥ずかしながら、アンネローゼ様に助けていただきました。
しかしながらアンネローゼ様のスーツ姿が眩しくて、まともに見ることすらできないのです。
それにしても自ら望んで、寵姫になりたがる女性がこれほどまでに多いとは……。
驚きを禁じえません。
そしてアンネローゼ様はたいそう忙しそうです。
寵姫というものは、これほどまでに忙しいものなのでしょうか?
これではまるで、どこかの事務員のようではありませんか。
寵姫とはいったい、どういうものなのでしょう……。
私には分かりません。
■ラインハルト・フォン・ミューゼル■
皇太子を見た。
たくさんの女性に囲まれ、にやけていた。
やはり貴族というものは、腐りきっている。
前線では、たくさんの兵が死んでいるというのに、奴は後宮で遊んでいる。
やつらは腐っている
腐りきっている。
ルドルフ大帝が墓から起き上がって、奴らを焼き尽くしてしまわないのが、不思議なほどだ。
俺は奴らを滅ぼして、宇宙を手に入れる。
ルドルフに出来た事が、俺に不可能というわけではないはずだ。
ところでキルヒアイスはどこだ?
■皇太子の間 アンネローゼ・フォン・ミューゼル■
ジークが皇太子殿下と話しているうちに、ブラウンシュバイク公爵様とリッテンハイム侯爵様が、皇太子の間にやってこられました。
お二人とも、ジークを見ると少し驚いたような表情を浮かべます。
皇太子の間に子どもがいるのが、そんなに不思議でしょうか?
ジークはかなり緊張していますね。
そんなに怖がらなくても、大丈夫です。
ああそうそう、ジークにも紹介してあげましょう。
「ジーク、こちらにいらっしゃい」
「はい、アンネローゼ様」
てくてくと近づいてきます。
「ジーク、こちらの方々は皇太子殿下の義兄弟に当たる、ブラウンシュバイク公爵様と、リッテンハイム侯爵様です。ご挨拶しなさい」
「ジ、ジークフリード・キルヒアイスと申します。軍の幼年学校に所属しています」
ジークも緊張して、声が震えています。
「うむ。オットー・フォン・ブラウンシュバイクだ。ジークフリード君は皇太子殿下とは、どういう関係なのだね」
「アンネローゼの弟の友人だ。よくしてやってくれ」
ジークの代わりに皇太子殿下が返事を返しました。その言葉を聞き、リッテンハイム侯爵様が一歩、足を踏み出しました。
「ウィルヘルム・フォン・リッテンハイムだ。よろしく、
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