第4話 「お願い、アンネローゼさん」
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妙にアグレッシブになりやがって、ラインハルトに見せてやりたい、この姿。
ああ無常……というやつだな。
そのうち、アンネローゼもMSに乗せてやるからな、楽しみにしてろよ。けっけっけ。
どんな機体がいいかなぁ〜。
■ノイエ・サンスーシ 後宮 シュザンナ・フォン・ベーネミュンデ■
今日、皇太子の間で寵姫の募集がなされました。
わたくしのところにも、募集要項が書かれた書面が回ってきましたが、これはいったいどういう事でしょうか……?
基本、平日八時から十七時まで、拘束八時間。休憩あり、多少残業あり。各種保険完備。急募、若干名。委細面談。明るい職場ですと書かれていますね。
これは本当に寵姫の募集なのでしょうか?
わたくしのところのメイドたちも、面接に行ってきていいですかと、聞いてくる始末です。皇太子殿下はいったい、何を考えているのでしょう。まったく困ったお方です。
ああ、こんな事を考えていると、お腹の子に悪いですね。胎教に良い音楽でも聴きましょう。
■皇太子の間 アンネローゼ・フォン・ミューゼル■
ようやく面接も一段落しました。
もの凄く人が集まって、もうたいへんな騒ぎだったんですよ。
近衛兵の方々が列を誘導しておりました。皇太子殿下は机の上で眠っておられます。
「俺は寝る」
とだけ仰って、高いびきです。
それにしても、やはり軍関係者が多かったです。女性兵士のあの血走ったような目。思わず背筋が震えてしまいました。
貴族のご令嬢の方々もおられましたね。
推薦状を持ってきた人もおりましたし、皇太子殿下の人気の高さを思い知りました。
さすが皇太子殿下です。わたくしも鼻が高いです。
ところでジーク……あなたまで、なぜここに来たのですか?
あなたは男の子でしょう? 寵姫にはなれませんよ。それにラインハルトはどうしたのですか?
「ラインハルト様は……」
そう言ったまま、ジークは目を逸らしてしまいました。
いったいどうしたというのでしょうか……。
「そういえば、女装した男の子が一人いたな……金髪のかわいらしい子だったが、結構目つきはきついものがあったぞ」
「皇太子殿下、起こしてしまいましたか?」
「いや、かまわん。ジークとやら、お前も女装するぐらいの工夫をしてみせろよ。ラインハルトのように、な」
「まさか……ラインハルトが、そんな〜」
「冗談だ」
「皇太子殿下、ひどいです」
「すまんすまん」
ほっとしました。皇太子殿下の冗談だったのですね。ですよね?
ですがジーク、なぜあなたは真っ青な表情をしているのです?
■ジークフリード・キルヒアイス■
皇太子殿下が新たに寵姫の募集をするという噂を聞き、ラインハルト様は大い
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