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勇者番長ダイバンチョウ
第5話 強敵、スケ番登場!男は女を殴っちゃいけねぇ!
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れを持ち、主室に番目掛けて投げつけてきたのだ。
「どわぁっ!」
 咄嗟に番はそれをかわす。
 頬にかすかな痛みを感じた。触れるとドロリとした感触がした。
 触れた箇所が赤くぬれている。血が出たのだ。
 だが、ヨーヨーに触れただけでこうなるのだろうか?
 そう思い、戻っていくヨーヨーを見て、その真相が分かった。
 あのヨーヨーには四枚の仕込み刃がついているのだ。
 投げつけた瞬間にそれが飛び出し、相手を切り付ける仕様になっている。
 恐ろしい凶器であった。
「ちょ、ちょっと待て! そりゃ何だ!」
「こいつがあたいの得物だよ! 悔しかったらあんたも自分の得物を使ったらどうだい?」
「出来る訳ねぇだろうが! 女相手に得物なんざ使えるかってんだ!」
「まだ言うかてめえええええええええええ!」
 その一言が起爆剤となったのだろう。茜が一心不乱にヨーヨーを飛ばしまくる。それを必死になって避けながら逃げる番。
 男が喧嘩相手に背中を向けるのは恥ではないのか?
 と、言う疑問を思う人達も居るだろうが、今回は相手が相手なので無理なのである。
 流石に女相手では喧嘩などできる筈がない。それが強敵であったとしても、番には出来ないのだ。
「待て、轟番! あたいと勝負しろぉ!」
「無理だぁぁ! 俺は死んでも女は殴らないって心に決めてんだよぉ!」
「じゃぁいっそ死ねぇ!」
「それも嫌だぁぁ!」
 ヨーヨーを両手に追いかけまくる茜と、必死に逃げまくる番の何時果てるとも知れない追いかけっこが展開されていた。
 空き地唯一の出入り口では茜の部下であるスケ番達が張っていて出られそうにない。
 しかも、立ち止まれば忽ち茜の放つヨーヨーの餌食となってしまうのは明白だと言える。
 どの道このままではいずれ倒されてしまうだろう。と思っていた矢先、突如クラクションが鳴り響く。
「な、何だ!?」
 動揺する茜の目の前で入り口を固めていたスケ番達が突如クモの子を散らしたかの様に離れていく。
 その直後に、こちらに向かい一台の軽トラックが突っ込んできたのだ。
「バンチョウ! 良いタイミングだぜ!」
 番はそう言い放ち、こちらに向かい突っ込んで来る軽トラックの荷台の中に飛び乗る。番が荷台の上に乗ったのとほぼ同時に軽トラックは猛スピードで空き地を後にするのであった。
「す、すみませんでした。姉御」
「怪我はなかったかい?」
 集まってきたスケ番達の身を案ずる茜。その頃には、既に番も例の軽トラックも姿が見えなくなってしまっていた。
「あの野郎……あんな軽トラで逃げ切れると思うんじゃないよぉ」
 茜の目が獲物を駆る獣の様な目をしだした。しかし、その目を番は後に見る事になる。案外すぐに……




     ***




 その
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