第5話 強敵、スケ番登場!男は女を殴っちゃいけねぇ!
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の左右には数人の同じ服装をした女子生徒達が腕を組んで番を睨んでいた。
「て、てめぇは……」
「あたいは木戸 茜【きど あかね】。私立輔番高校の番長、言い換えればスケ番だよ」
「ま、まさか……俺に果たし状を送りつけたのって―――」
「そう、このあたいだ!」
自身を指差して応じる茜。番にとっては最悪な展開であった。
番が最も苦手とする女。その女が事もあろうに喧嘩を吹っ掛けてきたのだ。
「轟番。てめぇ、最近この町でデカイ面してるみたいだけど、あんま調子に乗ってると痛い目に遭うって事を、このあたいが教え込んでやるよ」
「姉御がわざわざ出向くまでもありませんよ!」
「そうっすよ! こんな奴、あたい等で袋にしてやりますよ!」
周囲のスケ番達が意気揚々とこちらに向かい腕を鳴らして迫ってきた。
そんなスケ番達相手に番は拳を構える事など出来ずに後ずさりし始める。
出来る筈がない。男同士の喧嘩であれば血沸き、肉が踊る接戦が出来るだろうが、女は別だ。
「さぁ、あたいらと勝負しな!」
「で、出来る訳ねぇだろうが!」
「なんだてめぇ、怖気づいたってのか?」
「冗談じゃねぇ! 俺は死んでも女は殴らないって決めてんだよ! それなのにお前等の喧嘩なんて買える訳ねぇだろうが!」
番の心の叫びであった。まぁ、中には女だろうと関係無しに殴りつける野蛮人も居るだろうが番は違う。彼は決して女は殴らないのだ。
これも【男は決して自分より弱い者は傷つけてはいけない。まして女を殴る奴は男じゃない!】と言う亡き祖父の格言を頑なに守り続けてきたからなのだ。
その発言に、迫ってきていたスケ番達は呆れたような顔をしていた。
そして、大きな声で笑い出し始める。
「聞きましたかぁ姉御ぉ。こいつ喧嘩しないって言ってますぜぇ。あたいらが女だから出来ないってさぁ」
「どうせでまかせだろ? 本当は怖くて喧嘩も出来ないもやし君だからそうやって言い訳してんだろ?」
「はん、興醒めだ興醒め」
周囲のスケ番達は散々番に野次を飛ばしまくる。だが、それで済むなら番はじっと耐えられた。ただ野次を受ける位なら幾らでも受けて立とう。だが、殴るのだけは勘弁だ。
そう思い、こうしてずっと立っていたのだ。
だが、そんな中、最奥に居た茜の雰囲気が一変していた。
遠目からでも分かる位に、茜が不機嫌になっていたのだ。
「あ、姉御?」
茜の雰囲気が変わった事に気付いた周囲のスケ番達が青ざめながら振り返る。
それを見た時には、既に茜は怒りMAX状態へと変貌してしまっていた。
「あたいはなぁ、女扱いをされんのが一番嫌いなんだよぉ! ふざけやがってぇぇぇ! ぶっ殺してやるよ!」
そう言い、茜がスカートの裾から取り出したのは赤く染められたヨーヨーであった。
両手にそ
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