第5話 強敵、スケ番登場!男は女を殴っちゃいけねぇ!
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は始まらない。封を解き放ち、中を確認する。
其処には筆でこう書かれていた。
【果たし状】と。
「果たし状? 何これ」
「へぇ、この俺に名指しで喧嘩を売るなんざぁ度胸のある奴も居たもんだぜ」
番の顔に闘志が沸きあがってきた。此処最近平和で鈍っていたせいか、こう言った類の事にはとても嬉しくなってしまうのも番の特徴と言える。
果たし状と書かれた他に、細かい場所が記載されており、しかも地図までもが書かれていた。
まぁ、地図と言っても一本線を引いた簡素過ぎる地図なのだが。
「上等だ。この喧嘩買ってやるぜ!」
果たし状を手の中でグシャリと握り締め、番はゲタ箱を閉めた。
そして、折角入ってきた玄関口を出て行こうとする。
「あれ? 学校はどうするの?」
「それよりも喧嘩だ喧嘩! 男が名指しされた喧嘩をほっぽれるかよ!」
何とも自分勝手な理屈を並べて、番は学校を出て行ってしまった。
俗に言うエスケープである。
美智は追い掛けようとはせずに、そのまま校内へと入っていった。彼の性格は美智が一番良く知っているのだ。
あぁなってしまった番は、誰にも止められないと言う事を―――
***
記されていた場所はすぐ近くの空き地であった。広さ的には野球で言うダイヤモンドと同じ位の大きさであり、三段積みされたコンクリート製の土管が置かれており、それ以外は何もない質素な場所でもある。
正に絶好の喧嘩場所とも言えた。その場所の丁度真ん中辺りで、番は腕を組み仁王立ちしていた。
どうやら先に喧嘩場所に辿り着いてしまったようだ。少し気が早かったのだろう。
まぁ、それは仕方ない。後は果たし状の送り主が来るのを待つだけだ。
「さぁ、早く来い! 腕がウズウズしてきたぜ」
番の両腕が今か今かと打ち震えているのが分かる。早く喧嘩がしたいのだ。
侵略者達がパタリと消えてからと言うもの、こう言った一触即発な喧嘩はなかったのだ。それが番には退屈で仕方なかったのである。
三度の飯も大事だが喧嘩も大事。それが番なのである。
突如、風向きが変わった。それと同時に、番の鼻をくすぐるような匂いの変化を感じた。
今まで感じなかった匂いだ。それは即ち、近くに何かが居る事を示している。
咄嗟に番は身を翻して山積みにされている土管の方を向いた。
そして絶句した。其処に居たのは番にとって予想外の存在だったのだから。
「あんたが、番町高校の番長、轟番だね?」
其処には土管の上に乗りこちらを睨みつけている一人の女子生徒が居たのだ。
番町高校とはこれまた違った制服を身に纏っている。が、彼女のはスカートの丈がかなり長く、色も黒いセーラー服になっている。
結構昔風の制服だ。
そして、そんな彼女
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